お世話になっている先生にお借りした「俺ルール!自閉は急に止まれない」という、アスペルガーの方の書いた本です。広義の自閉症であるアスペ当事者の感覚をわかりやすく書いてある本でした。以下、本文を引用しながら感想を書きたいと思います。特に何かをしているときに「いま自分が、全体のなかで、どの辺りにいるのか」という情報があると(たとえば地下鉄の「次の電車は」という表示、横断歩道の信号待ちのカウントダウン、)全体の何パーセントまで進んだのかがわかっていると、とても安心できるそうです。「自閉症の子には見通しが大切」・・・アマゾンのショッピング画のように「サインイン→あて先→商品確認→配送→会計→確認」のように、チャートが表示され、手順がいまどこまで進んでいるか、記号と色で強調される仕組みになっている。これは非常にわかりやすいらしいです。選択を提示する方法。「選んでください(何か選ぶんだな、と心構えができる)。選択肢はふたつあります(頭のなかで空欄のふたつのワクを描く)。新幹線だと(頭のなかの空欄のひとつに、新幹線の絵が入力される)乗ったら20分で着くけれど、乗り換えるには、降りたホームから遠くまで歩くことになります。もうひとつの特急だと(頭のなかのもうひとつのワクにカーソルが点滅されて、特急の絵が入力される)、乗ってから40分以上かかるけど、乗り場が、降りたホームの隣だから、1本分しか歩かなくてすみます。どっちがいいですか?」上記のように選択肢を提示すると、無駄な部分にエネルギーを消費することなく、スムーズに選ぶことができるそうです。たくさんのイチゴが出された場合、イチゴのひとつひとつの食べる順番を頭のなかで決めてしまう。(イチゴではなく、お肉やほかの食べ物でも。ひとつひとつが違ったものに見えるらしい)なので、自分が次に食べる予定だったイチゴを食べられてしまうと予定が狂い、混乱してしまう。知能に問題のないアスペルガーの方が、これほど大変な日常生活を送っているのなら、言葉をあまり持たない自閉っ子の日常生活はどれだけ混乱に満ちていることか・・・子どもとのかかわり方について再考するいいきっかけになりました。