見た通りの「青年期の自閉症の本」です。 いやー面白かったです。 というのも、私は、日本の本でよくみる感じの 「大人になるまでには、身辺自立のここまではしておきましょう」 みたいな物なんだろうとおもっていたのですが。いえいえ・・。 自閉症でフルタイムで雇用されるパーセンテージが低い。 2003年のUSのデータで、18歳以上の自閉症の雇用率は69% そのうち8%のみがフルタイムの雇用で、92%はパートタイムの雇用。 なおかつ給料も年収3000ドルと低い。8%の枠の中にはいることを目指すのは、大変だと。 なら、アントレプレーナーシップ(起業家精神)を早いうちからつけておくのが大事だと。 起業は誰でもできるからだそうです。起業して成功するのはむずかしいけど、起業までは、たしかに誰でもできますね。成功するかは、別にして・・。 学校教育は、雇用される人に対していかにうまく雇用されるか?を知るのにはいいところだが、起業するためには、学校教育はそんなに役にたたないので、青年期からきちんとアントレプレーなー精神を持つように移行期の個別指導計画の中に起業のゴールをいれて、育てて行きましょう。 というのがあり、自閉症の人がパン屋を建てて成功した例がのっていました。 私が読んだ感じとしては、本の発行が、2007年。パン屋の話はもっと前で、今の時代になるとこれをこのままやってもうまくいく気がしません。特に都会では。 まっ、この本を読んで すぐにパン屋を始めようという安直な人もそんなにいないとは思いますが、この本が言いたいことは、 「時代のニーズやニッチな市場を考えれば、雇用する側の都合にあわせて、躍起になって訓練して安いお金で雇用されるより、起業の方がいいんじゃないの?」っていうことかもしれません。 そのためには、起業チームを作ることが大事ですね。そうすれば、ジョブコーチと自分の2人ではなく、最初から障害のあることを知り、協力しようという人たちの集まりな訳です。 会社という団体の中で滑り出す時には、他の従業員全てが障害のある人を助ける為には存在していないということです。 成功率はたしかに低いと思いますが、従業員になってもフルタイムでお給料をもらうより起業をして成功すれば、収入の上限はないといういかにもアメリカ人的なポジティブな意見でした。 じゃまわりはどうか?というと、最近20代の日本人と話す機会が多い私ですが、優秀な人になればなるほど、 「雇われるのは、おもしろくない。 数年くらいだったら、腰掛けだったら雇われていいかもしれませんが。」 っていうのを聞きます。 10年くらいまえだと、優秀なひとほど同じ会社ずっと勤めるみたいな話は多々ありましたが・・。 最近そういう若い人を見かけない。 なんていうか、私たちが若い頃に会社勤めは 「お嫁に行くまでの腰掛けの就職」 っていう言葉がありましたが、最近になってそれを 「起業して、会社が走り出すまでの腰掛け就職だったらやってもいいかなー。」 っていう人が増えた気がします。 で、私が 「ねえ、それって、会社を受ける時には言うの?」ってきいたら 「言う訳ないじゃないですか。会社には、骨を埋める覚悟で。っていうのが最近のおじさん達が好きな言葉ですから、そう言いますよ。」 っていう返事。そんなもんなのね・・。 そんな中、もう一冊読んだ本がこれ。
これは、言い得てます。 起業して何回までは失敗してもいいが、何回からはだめっていう法律はない。だから何度でも挑戦できる。 っていうのが笑えました。 私の周りでもシリコンバレーで起業し、株式公開して会社を売り抜けた人たちが、もう大金持ちになり引退できるお金がるのにも関わらず、再度起業している人が結構います。 起業って中毒のような作用があるのかもしれません。おもしろい2冊でした。