最近、低年齢の万引きの相談が数件相次いでありました。万引きだけでなく、様々な社会的な問題行動の相談を受けることもここのところ増えています。・万引き・万引きの繰り返し・万引きの指図をする・家庭からのお金の持ち出し・友達のモノ(ゲームなど)を持ってきてしまうなど・・・反社会的行為、犯罪行為を起こしてしまう問題(行為障害)が、小学校低学年でもすでに頻繁に起こっているようです。これらの問題行動を起こすお子さんの中には、もともと発達の問題を持っている場合もありますから、相談の中では、発達検査や心理検査等も検討しながら今後の対応を考えていくことになります。ただ、そうした相談の中でやはり重要なのは親御さんの姿勢ではないかと思うことがあります。万引きを繰り返していたある小学生の親御さんに「事件の後始末をどのようにしましたか?」と質問したところ、「モノはもう箱も開けて使ってしまっていたから戻せないししようがないじゃないですか~」と言われて絶句したことがあります。「まだ小さいからよく善悪がわからなかったと思う」「たまたまやってしまったのだから仕方がなかった」「もうしないと言っているし」・・・驚くべきことに問題の後片付けさえ「水に流して」しまっている場合もあるという現実。今まで通りの対応では解決しないような問題の深刻さと複雑さに、どう向き合っていくべきなのか。どのような状況であっても、本当にお子さんに必要なケアを迅速に組み立てていけるようなスキルが要求され、時代遅れのスキルでは、だんだん通用しなくなっていくのでしょう。ただ、こうした問題は、医療だけで何とかなるものでもなく、社会全体がサポートしていかなければ解決しない難しいテーマでもあります。解決の糸口が見つけていけるように、諦めずに働きかけていくしかないのですけれど。