先日、学校に行った時、校長先生に声をかけられた。この校長先生は去年、のび太小学校に赴任してきた。それまでの校長先生はどの子からもどの父兄からもとても信頼されていてとにかく全てにおいて熱心で一人一人の子供に心を砕いて接してくださって人間として尊敬できる素晴らしい校長先生だった。のび太のことも1年生から声をかけてくださり、パニクった時など校長室で気持ちを落ち着かせたり、とにかくいろいろお世話になった。私も2度、校長先生と個人的に時間を割いてくださってお話したこともあった。転勤されると決まった時には子供達も親達も心から別れを惜しんだ。そんな素晴らしい校長先生の後任で来られた新校長(それも♀)。風当たりは強かった。前校長と比較され、かなりクレームがあったらしい。しかし、赴任したばかりでいきなりあまりにも素晴らしすぎた前校長と比べられるのも気の毒だ。でも、確かに6月に産休に入る教師を担任にさせたり、確かにちょっとどうかと思うことはいろいろあった。その校長先生が「のび太くんのお母さん!」と、私に声をかけてきた。個人的に話をするのはこれが始めてだ。おそらくのび太といるのを見て、声をかけたのだと思う。「のび太くん、去年は本当にゴメンナサイね」ああ~4年の時のいじめのことか・・・校長先生にはお話したことは無かったが特別支援担当の先生に相談したこともあったし市の教育委員会の特別支援担当のK先生が(のび太が幼稚園の時にことばの教室でお世話になった)のび太のことを伝えてくださったりしたこと、何より、のび太をいじめていた子たちを4年の担任が扱いに困りかねて教頭先生や最後には校長先生に「叱ってもらっていた」らしいからなぁ・・・校長「本当に去年は私ものび太くんのクラス、 どうしたものか、と考えてね~ 子供達一人一人は本当にいい子たちなんだけど クラス運営がうまくいかなかったんだと思います」・・・要するに、担任の指導力不足だった、ということを遠まわしに表現したのだと思う。私「わかっています。本当にいろいろありがとうございました。 おかげさまで本当に落ち着いてきました。」校長「そうでしょ~? 4年の時、のび太くんに本当に辛い思いをさせたから この先、あんな思いはさせないように、って C先生だったらうまく子供達をいい方向に 指導してくださると思って担任にしました」えええ~?!のび太のためのC先生だったの?!まあ、そればっかりじゃないだろうけど、本当にありがたかったし、恐縮してしまった。私「4年の時は本当に親子で辛くて、 のび太も辛いけど頑張って登校している状態でした。 でも、今年は『学校が楽しいし、もう心配ない』って すっかり明るくなりました。」そういうと校長先生はじゅわ~っと目に涙を浮かべた。校長「あ~~~!!!よかった~!!! 本当に良かったです。 そう言っていましたか~・・・ 学校でも本当にいい顔して元気いっぱいだから 大丈夫だな~とは思っていたんですけど お母さんからそんな風に言っていただけて安心しました」そう言って、私の手を握った。私「いえ~!こちらこそ、校長先生にまでご心配していただいて ありがたく思っています。 おかげさまで本当にのび太はすっかりC先生を 信頼して安心して登校しています」校長先生の涙に、私もうるっとしてしまった。高機能自閉症で特別支援児童でもあるのび太。そんなハンデも悪くないよね、って思う。(あ、私はハンデとは思わないけど世間一般としてね)こじんまりした学校であることも幸いしているかもしれないけどたくさんの先生方に目をかけていただいて心配していただいて、のび太を思って涙していただけるなんて・・・たくさんの人たちに育てていただいている幸せに感謝の気持ちでいっぱいになった。