連休明けの外来診療は、ちょっとハードでしたが、休み続きで怠け癖のついた身体に鞭打って働きました(笑)さて、GWも終わって、新学期スタートの緊張から疲れが出てくるころでしょうか。外来でも、お子さんたちの行動の変化が出てきたり、問題が発生したり・・・と進級して1か月ほどの学校や幼稚園・保育園でのアレコレの報告が相次ぎました。そんな中で「先入観」の話。ある学校で、お母さんが新しい担任の先生に、これまでの経過や発達診断や特性をまとめた資料を進級直後に渡そうとしたところ、「先入観を持ちたくないので、資料は受け取りません」と言われたそうです。お母さんは「今年度、いったいどうしたらよいのでしょう?支援を受けられないかも?」と困りきっていらっしゃいます。これって一体どうなんでしょう。先生が・発達障害についてご存知ないので拒否?・昔からの自分のやり方に自信を持っていて新しい「支援教育」は拒否?・特別支援教育は大変なので拒否?・もしかして引き継ぎもされてない?・資料を見るのが面倒?「ありのままのお子さんを見たい」「特別扱いしたくないので」とおっしゃったそうですが・・・「先入観を持ってしまうから資料を受け取らない」というのは、特別支援教育的対応をしません(できません)とおっしゃっているように聞こえてしまいます。発達検査の結果や診断評価についてのレポートもお母さん経由で渡ししてもらう予定だったのですが、受け取り拒否では話になりません。あらかじめ、発達特性を知ってもらうのは、対応が後手になることを防ぎ、スムーズに学校で過ごせる準備をしてもらえることや、発達障害のお子さんの修復しにくい感覚過敏やこだわり行動によるダメージを予防することが可能だからです。「ありのまま」のお子さんを観察しているうちに、お子さんが修復できないダメージを受けて(場合によっては先生が与えてしまう場合もある!)からでは遅すぎます。誰のための特別支援なのでしょう?いまだにこんなケースもあり、本当に残念です。でも、新学期はスタートしたばかり。粘り強く働きかけていくことが大事。少しでも支援の方向性が見つけていけるとよいのですが。