清い水は清い水に流れる

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Nice!

「いじめを見たら友達でも 注意しあわなくちゃいけないんだよ」のび太のクラスの学級目標のひとつの話である。「でも難しい、注意するのって。」AくんがBくんに「バカじゃねーの?!」と言ったらしい。でもそれをとっさに注意できなかったらしい。「僕はどうしたらいいかわかんなくて そのままになっちゃったんだ」生真面目できまりはきちんと守ろうとするのび太。何も出来なかったことに罪悪感を感じているようだ。「そうだね~確かにとっさにどうしたらいいのか わかんないときってあるよね~。 でもさ、のび太が4年生の時、いじめられてて、  誰も注意してくれなくて辛かったよね。」「あああ~!!! やっぱりちゃんとBくんを助けてあげればよかった! くぅぅぅ・・・っ・・」「今度そういうことがあったら イジワルされている方のお友達を 助けてあげようよね。それでいいんだよ。 誰だって始めはなかなか勇気が出ないものだから。 そうやって少しずつ勇気を出していけるようになれば いいんじゃないかな」「YくんとかMくんとか、勇気があるよね」Yくん、Mくんとはのび太がいじめられていた時に「そんなやつ、相手にするな!無視しろ。」と、いじめっ子とのび太を引き離してくれたり、「のび太くんは悪くないよ。 いつもアイツラが先に嫌なことをするから悪いんだ」と、私に教えてくれたりした同級生。「そうだね~本当に勇気があるね。 でものび太はMくんYくんのおかげで 本当に助けられたよね。 じゃあ今度はいじめられている人がいたら のび太が助けてあげる側にならなきゃね」「うん・・・そうだな~ 今度は頑張ってみる。」発達障害があり周りとは異質な雰囲気を放つのび太を育て、世間の人間の心の裏側があぶりだされるように見えてくることがある。親子で信頼していた同級生親子の子が実は長い間、のび太に嫌がらせしていた。しかし、どうやらその子は自分の非を隠すためかのび太のことを親に悪く言っていたらしい。信頼していたその子のお母さんはあからさまに私を無視するようになった。4年生の時に担任だった教師はいじめを「子供達の間ではよくあること」と言い捨てた。のび太が毎日毎日繰り返されるいじめに心がささくれていたのも知っていながら一度もクラスの問題として話し合うことも無かった。そればかりか、「いじめられる子も、やり返すぐらいにならないと 世の中、渡っていけません」と、言い放った。実際にのび太がやり返すようになると「ケンカ両成敗」などといい加減にあしらって終わらせることでいじめを加速させてくれた。単にメンドクサイだけなのだ。結局、産休代替教師だった彼女は全てにおいて「頼まれ仕事」でしかなかった。しかし、それを見抜いてか、「のび太くん、最近、いつもいじめられて可哀想です」と担任に直訴してくれた子もいた。そんなこんなの人間の裏も表もあぶりだすのび太。言葉の表現はおぼつかないから多くは語らないのび太だが誰よりもそういうものを敏感に察知している。「Pくんは一人のときは僕をいじめたりしないよ」「Zくんは僕にいやな事を言うけど  Zくんもいじめられているんだよ。 だから仕方ないんだ」敏感だけに歯がゆいところも多々ある。だけどどんなに辛い時にも必ず味方になって助けてくれる人がいる。のび太が手繰り寄せる素敵な人たちの心は同じように澄んで濁りが無い。自分をいじめてきた人たちを決して悪く言わないのび太に「あいつら、一生うらんでやるぅ~!!」なんて思っちゃったりするドロドロの私のハートは穴があったら入りたくなるほど・・・。清い水は清い水に流れてゆくのだ。ああ・・・私ものび太の清い水に浄化されなければ・・・(恥)