月曜日からタンコロの学校でも、ペイスケの学校でも給食が始まったけれど、これって学校がやっと始まったことでもあるんだよね。タンコロは、クラスメートは一人卒業して、一人は転入者があったし、2クラスある特学のクラスの場所が今までとは反対の位置になったけれど、やっぱり先生が全員変わってしまったことが大きかったみたい。新しい先生は、それでも気を使ってくれて、給食時は机を弧の字形にして、クラスみんなで食べて仲良くする雰囲気を作り出そうとしていた。けれど、タンコロはみんなに背を向けてしまい、なかなか溶け込めなかったんだ。健常児との交流教室も、昨年までの先生と同じだったんだけど、クラスメートが変わってしまい、タンコロは自分の位置がつかめなかったみたいだね。そんなんで、何年振りかの脱走騒ぎがあった1週間だったんだ。月曜日には交流教室の体育の時間に脱走、次の日にはお昼休みに脱走、さらにその次の日には放課後脱走・・・と木曜日まで続いたんだよね。今の担の先生とは、昨年までやってた交換ノートを続けていて、結構良いことも良くないことも書いてくれるから、ありがたいね。そこに、学校に迎えに行ってる秋桜からの報告もあるし。ところでペイスケの骨折は、もう1週間以上経ったけれど、これはタンコロと一緒にお風呂に入れないことも意味してて、ペイスケの骨折以降は、毎日会社から帰ったボクがお風呂に入れてる。お風呂の中で、タンコロにはいろいろ話しかけるようにしてるんだけど、今週は毎日脱走のことが話題だった。「タンコロ、学校から出ちゃいけないよ。」とか、「タンコロ、先生の傍を離れないでね。」とか、いろいろ話しかけてた。交換ノートを読み、秋桜から話を聞いて、それで言葉をいろいろ選びながら話しかけてたつもりだったけれど、それが伝わったのは木曜日だったみたい。おかげで、金曜日はクラスメートと向き合って給食を食べられたし、初めて担任の先生の名前を呼んだらしく、担任の先生はうれしがってたね。脱走もなかったし、僕が帰宅して見るタンコロの表情は、金曜日にはいい意味でよくなってたよ。きっと、今週はズーっと緊張してたんだろうね。担任の先生は全員変わるし、家での入浴はいつものお兄ちゃんではなかったしね。でも、1週間足らずでよく立ち直ったもんだな、と思うよ。困ったことに、お風呂はボク以外ではダメになってしまった。水曜日にボクが夕食を作ってる間に、秋桜と一緒に入浴させようとしたんだけど、タンコロは「おと~さ~ん」と泣いてしまって、秋桜に身体を洗わせなかったらしいし、仕方なく途中からボクが入ったけれど、今夜も同じだった。まあ、でも今日も元気いっぱいだったし、きっと明日をうまく過ごせれば大丈夫だろうと思うよ。表情が違うものね。けど、たまにはボク一人でお風呂に入ってみたいなあ。