発達障害のある子どものきょうだいたち―大人へのステップと支援クチコミを見る発達障害のお子さんたちを診療していて最近気になるのは、「きょうだい」への支援についてです。自閉症だけでなくさまざまな障害について、きょうだい支援の実践や研究を目にする機会も多くなっており、関心の高まりと支援の必要性が認識されてきているということでしょう。私のところにもご兄弟(姉妹)の受診が最近増えてきています。チック・抜毛などの症状や、強迫性障害、不安障害などの精神的な症状の見られるケースなど症状はさまざまですが、小さなごきょうだいたちは一見元気そうでもこころがとても疲れてしまっていることがあります。家族の中で、「おにいちゃんよろしくね」「助けてあげてね、たのんだよ」「がまんしてね」というような暗黙の期待を背負ってがんばっている姿は、けな気で痛々しいくらいです。「きょうだい」が何らかの精神的負担を抱えており、その特殊な環境ゆえに特別なケアを要するのだということを前提に、早い時期からサポートしなければいけないということです。「きょうだい」たちはたくさんのストレスをかかえ、精神的なダメージをかかえ、ヨロヨロしながら誰にも何も言わずに(言えずに)がんばっているということを知っておかねばなりません。『オレは世界で二番目か?-障害児のきょうだい・家族への支援』オレは世界で二番目か?―障害児のきょうだい・家族への支援クチコミを見るこの本からも「きょうだい」たちの声がたくさん聞こえてきます。そして、障害児の子育てに奔走する「親の人生にひたむきに伴走する小さい人」の幸せを願うたくさんのメッセージが伝わってきます。