「あ~~~!!!終わった終わった~! 2学期はろくでもないことばっかりだった~! でも、とにかく終わった~!!!」昨日、終業式を終えて帰ってきたのび太の雄たけびでした。「ろくでもないことばっかり」だった2学期・・・かぁ・・・まったくだった。でも、長い目で見れば・・・うん、長~~~い目で見れば、いい経験だったのかも知れない。だけど、「ろくでもないことばっかり」の学校って子供に思わせるような学校じゃ、いけないよな。「そうだったね~でも、頑張って乗り越えたよね。 2学期はマイナスの方に傾いていたかもしれないけど その分、絶対にプラスの方に針は動くことになってるよ。 いいことばっかりの人も、悪いことばっかりの人も いないんだよ。 結局、人間って『プラスマイナスゼロ』で、 みんな同じなんだよ。」「じゃあ、2学期はマイナス85くらいだったから プラス85くらいのいいことがこれから起きるのかな?」・・・?マイナス85の値はどこから出てきた数値なのか、この辺がのび太の独特で面白い考え方だ。「そうだね~でもすぐにプラス85を 取り返せるかどうかわからないんだよ。 もしかしたら、次はプラス1、その次はプラス5、とか 小刻みだけどトータル85かもしれないしさ。 それにプラスに転じる時期もわからないしね。 昨日までマイナス100だったのが ふとしたきっかけで今日プラス200になるかも知れないし。 だから生きてると面白いんだよ。」「ふぅん、なるほど。」あ・・・のび太にこんな長ったらしい説明をしても理解できないか。でも、まあ、なんとなくわかってくれればいいよね。しばらくして、忘れた頃に・・・「死にたい、って思っている人に そういうこと、誰か教えてあげればいいんだ! そうすれば、自殺なんてきっとしなくなるよ!」「へ?」「プラスマイナスゼロの話。 今、辛くて死にたいと思っている人は マイナス100万くらいかもしれないけど もうちょっと我慢していれば、いつか突然、 プラス100万になるかもしれないんだよね~。」「そうなんだよね。 でも、気持ちがそこまで追い込まれている人には なかなかそういう励ましも逆効果だったり することもあるから難しいんだよね。 人の気持ちを考えるって本当に難しいからね。」「確かに。 じゃあ、僕みたいに嫌なことがあったら気持ちを切り替えて 好きなことをすればいいのに。 僕なんか家に帰ってきて折り紙折ったり、 漢字を書いたり地図を見たりすると、 そのときは嫌なこと、忘れられるんだよ。 そういうのが無いのかなぁ」ん・・・まあ、そういうのが無いから精神的に追い詰められるんだろうけど、10歳ののび太なりの前向きに生きていく術もなかなか一理あって、良いなあ、と思う。「のび太は偉いね。 そうやってちゃんと自分の気持ちを明るくする方法を 知っているだけでも幸せなんだと思うよ。 その方法をなかなか見つけられない人は 大人でもいっぱいいるからね。」「あ!あと、誰かに相談するとか。 ちゃんと周りの人に助けを求めていれば 必ずいい方法が見つかるはずなんだけど・・・」こうして 「のび太メンタルクリニック」の、のび太医師はあれこれ名案(迷案?)を考えていた。幼いなりに懸命に生きているのだ。何はともあれ、冬休みに入り、ほっと一息。今、のび太はサンタさんからのプレゼントのDSの平成教育委員○を嬉々としてやっている。問題をノートに写して、自分なりの注釈などもつけたりして、それはそれは楽しそうです。「ろくでもないことばっかり」だった2学期よ、貴重な経験をありがとう~