心が具合悪い時

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Nice!

「学校って具合が悪いときは休んでいいんだよ。 『具合が悪い』っていうのは、おなかが痛いとか頭が痛いとか 熱があるとか、そういうことはもちろんだけど、 『心が具合悪い』時だってあるでしょ? そういう時は休んで心の調子を戻すことも大事なんだよ」「そうかぁ~・・・でも『心が具合悪い』って よくわかんないんだよな」「例えば学校のことを考えると泣きそうになる、とか 嫌なことばっかり思い出して辛くなるようなときは 『心が具合悪いとき』なんだと思うよ。 そういう時って、ある?」「う~ん・・・この前まではそんな感じだった。 でもお母さんが先生とお話してきてから Nくんはボクに嫌なことは言わなくなったから 大丈夫になってきた」「そっかぁ~お母さん、気が付かなくてごめんね。 これからはお母さんに何でも言ってくれれば 絶対にのび太のことを助けるから、話してね。」「うん。 でもさ~学校で『心が具合悪くなるとき』があるんだよな。」「え?」「ボクはやられたからやり返しているのに 先生は『ケンカ両成敗』って言って、 ボクも謝らされるとき。 納得できなくて、本当に学校が嫌になる。 そういう時、帰りたくなる」「帰ってきていいよ! 家か、お母さんの携帯に電話して!迎えに行くから。 それか、1年生の時みたいに 職員室に行って他の先生に理由を言って 休ませてもらってもいいんだよ」「いいの?」「いいんだよ! MK先生ものび太のことを守ってくれないんだったら 自分で自分のことは守らなくちゃ。 それには今のところ家に帰るのは一番いい方法かもね。 お父さんとお母さんは絶対にのび太を守るから。 そういうところに避難するしかないよ。 それが嫌だったら職員室の先生に 助けてもらってもいいんだよ。」「そっかぁ。わかった。」入学当初から皆勤賞ののび太。熱があっても、休みたくない、と言って、登校していたのび太。そんなのび太に、今まで「休んでもいいんだよ」と言っても、絶対に首を縦に振らなかったのですが、「学校を休む」「学校をリタイヤする」という自己防衛方法に初めて聞く耳を持ってくれました。それだけ、のび太の心は追い詰められていたのかもしれません。そんな会話を交して、今日ものび太は学校に登校しました。愛犬ロックと共に、負けるな~のび太~!と、念を送って今日も見送りました。