のび太が2歳半ころ、毎日、意思疎通のできないのび太のパニックに精神的に疲れ果てていた。でも、子育てってこういうものだと思っていた。ふと、買った育児雑誌に・・・「高機能自閉症・アスペルガー・ADHDなど・・・」の特集があった。・・・何だか、のび太のことを書いているみたいだ。しゃべってはいても会話にならない、オウム返し、同じことを何度も繰り返すのが好き、いつもと違うことを異常に嫌がる、etc・・・「ねえ、まるでのび太のこと、書いてるみたいだと思わない?」と、この記事を旦那に読ませた。「う~ん・・・確かに当てはまるところは多いよね。 でも、当てはまらないところもあるじゃない。 これを読んだだけで、そうだ、とは言えないな」ごもっとも。今でこそ「自閉症と言えども100人100様」と言われているけど、当時はやっと「アスペルガー」や「ADHD]と言う名称が、世の中に出始めた頃。本などもそれまでの古い見識のものがまだ多く、新しい見解のものが出始めた頃だった。だから、多くの本などに載っている「自閉症の特長」には「笑わない、人とのかかわりを好まない、言葉を発さない」などという項目が並べられていたのも事実だ。のび太は・・・というと、生後3ヶ月からよく笑い、愛想良く、とても人懐こくて、自分から知らない人に寄って行っては可愛がられ、会話にこそならないが口数は多く、おしゃべりだった。つまり、「自閉症の特長」には当てはまらないことになる。その後、のび太は高機能自閉症とめでたく(?笑)診断されたが同じ高機能自閉症の方のHPなどを見ると、のび太と同じように、愛想良く、ニコニコと笑顔いっぱいのお子さんと出会えてなんだか嬉しくなったものでした。本や文書というものは恐ろしい。先日、何気なく図書館で借りた自閉症に関する本に「自閉症は先天的なもの、というのはいかがなものか。 断言は出来ないがテレビやデジタル機器といったものの 影響がたぶんに見受けられる」「虐待やネグレクトなどの被害を受けた子に 自閉症と同じような症状がでる。 これはもはや、自閉症は親の育て方に 一因があると言っていいだろう」といった内容の本だった。(こちらは近年出版された本ですよ)あとがきや著者の紹介などを見たら某宗教団体の関連する会社の出版でそちらの関係の肩書きの精神科医の著作だった。恐ろしかった。図書館においていた本だ。もし、のび太が幼い頃にこんな本を手にしていたら私はどうなっていただろう。世の中の情報というものは、情報を得る側の受け止め方も大切だ。冷静に「本当に正しいもの」だけを受け入れる判断力が必要なのだ、と思う。どうか、今、あの頃の私のように、不安な気持ちいっぱいで本やネットで情報を得ようとしているお母さん方がまやかしの情報に心を痛めることがありませんように・・・と、願わずにはいられない。