私は幼い頃から「泣いちゃダメ」「泣いたら恥ずかしい」「泣くのは弱虫」と言われて育ってきた。「まっぷーは泣き虫だから」「まっぷーは気が弱いし体も弱いし・・・」暗示にかかるようにどんどん消極的に拍車がかかった。外ではほとんど喋らなくなった。今思えば、小学校に上がるまでは自閉傾向の症状が強く、パニック=泣く、だったのだ。しかし、辛いことの拒否反応としての「泣く」と言う行為を、否定されたらどうなるか・・・。全くと言っていいほど、泣かない(泣けない)子供に変化した。本来ならパニックを起こすべき状態では、体も硬直してしまった。そして、泣かないように、と、気持ちをどこか違うところに飛ばしていた。それは真剣だった。だって、泣くことはいけないこと、と刷り込まれたのだから、懸命に泣かないようにする術を自分なりに模索していったのだ。小6の時、クラスのいじめっこの男児に、「このクラスの女子でまっぷーだけ泣いたの見た事ないよな。泣かせてやろうぜ~」と、言われた。恐怖!!!一体、何をすると言うのだ!第一、私は泣いてはいけない人間なのだ!今までどれだけの努力で泣くことを我慢してきたと思っているのだ!なんとしても「泣かされること」を阻止せねば!・・・と思ったときに、私は椅子の上に立っていたその男子の、椅子を引き抜いて転ばせた。そして、思ってもいないことを叫んだ。「いつもそうやって、女子を泣かせて!お前なんかサイテーだ!バーカ!!!」床に叩きつけられるように転落した男子は痛さと驚きとでなのか号泣していた。「こいつ、怖~!」「男子のこと、泣かしたぞ~」そのときから、私は生まれ変わった。自分の意思を言うこともなく、自分の気持ちを表現したことのなかった私が、いきなり「強い女子、まっぷー」の称号を手にした。抑圧されていたのもが解き放たれると、とんでもない方向に飛んでいくのだ。中1進学と同時に転校した。誰も、小さいころの私を知らない。成績はいいけど、おとなしくて騒がなくて、嫌がらせをされても泣きもしない、感情表現のない女の子。こんな過去の自分を壊してやろう。そして小6の後半に手にした称号「強い女子、まっぷー」の路線で行こう!そして、私は中学入学とともに生まれ変わった。積極的で気が強くて負けん気の強い女子。納得できないことは先生が相手でも正論で言い負かす。反動とは恐ろしい。幼い時の私とは対極の自分が出来上がった。しかし、どちらが本当の自分なんだろう。家で親の前では相変わらずの私だったから・・・。幼い時に抑圧されていたものが表に出てきただけなのかそれとも、後者の私のほうがどこか無理しているのか自分でも自分がわからなくなる。多重人格を形成すると言うのは案外簡単なのかもしれないなんて思ったりする。だから、子供なんて、まだわからない、と思う。この先、どう変化するか、限りなく未知数だ。子供の性格を決め付けちゃいけない。今のありのままを認めて否定しないで見つめていかなければ・・・と思う今日この頃です。