聾学校で気管切開に関する講義をしてきた

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Nice!

NICUの退院以来外来で診察している子が聾学校の幼児部に通うことになった。気管切開している子は久々であるからと、招かれて気管切開に関する講義らしきものをしてきた。人手不足でこういう用事は当直あけの週休を使わざるを得ないし、前日から私自身がひどい喘息発作を起こしていたりして、いろいろコンディションは悪かったのだが。質疑応答では日常生活の具体的な場面についていろいろ質問があり、かえって私のほうが勉強になる感があった。砂遊びで砂を吸い込んだらどうしようとか、プールはどうかとか。なるほど幼児の生活にはそのような場面もあるのだなと改めて思いおこした。自分の母親が幼稚園の先生だったのだから母の仕事を思い起こせば多少は想像もついたろうにと反省した。無認可幼稚園の教諭の給料をほとんどつぎ込む形で医者にしてもらった小児科医なのに恩知らずなことだ。何にせよ、入園の時点で通園先を訪問できて先生方とも話せて、有意義なことではあった。今後の診療の参考になる上に望外の講演料まで頂いてしまった。新生児医療や救急なんぞやっている身では、京都府がお金をくれるなんて珍しいこともあるものだと皮肉の一つも言いたいところではあったが。気管切開に関するよりもむしろ嚥下に関する質問が多かった。考えてみれば聾学校なんだからSpeech therapistがいらっしゃって当然なのだな。あんまり気にしてませんでしたと白状すればよかったのかな。その方面に疎いのは見え見えだったろうし。てひどい誤嚥性肺炎を生じなければ楽しい食事を優先という今までの方針は決して間違ってはいないと思うのだけれど、あんまり一度にほおばりすぎてむせていますと言われては返す言葉がなかった。今後はもうすこしお行儀良く食べるという指導も必要そうだ。京都府立聾学校は御室仁和寺の北側に隣接している。「徒然草ゆかりの仁和寺」と観光看板に対処してあったが、たしか徒然草には仁和寺の僧侶の知的水準についてあまり誉めたコメントがされてないと高校で習ったように記憶している。看板は物事にこだわらない仏教的な徳の表れなのか、ただの自虐ネタなのか、よく分らなかった。遠いと思っていたが左京区からだと市バスで乗り換え1回ですむ。59系統は御室を出た後は竜安寺・金閣寺や立命館・同志社・京都ライトハウス前など京都市北部の名所旧跡と主立った障害者施設や有名大学を一連回っているようだ。私が降りた後は府立医科大学のほうへ去っていった。