流行語を考えるのび太

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Nice!

「あ〜!こういうのを『KY』っていうんだよね〜」テレビを見ていたのび太が言った。何だか、ドキッとした。のび太は高機能自閉症。自閉症は一般に「周りの空気が読みづらい」と言われている。「周りの空気が読みづらい」と言われるくくりに入るらしいのび太の口から、「KY」と言う言葉が出てきて、何故だかドキッとする私。「KYってどういう意味?」「えっと、例えば、 静かにしなくちゃいけないのに騒いだり・・・ 内緒にしていたことをベラベラしゃべったり・・・ っていうことでしょ?」「うんうん。そうらしいよね。 『空気が読めない』ことを言うらしいね。」「Aくんってホント、KYなんだよな〜 女の子に嫌なことを言ったりさ〜 静かにするときに大声出したりするんだよ」「そっか〜。のび太は大丈夫? KYなこと、してないの?」「大丈夫だと思う。 『人のふり見てわがふり直せ』っていうから、 気をつけてるよ。」・・・んぷぷ・・・笑ってしまった私・・・〜またある日〜「ねえ。 『ウザイ』ってどういう意味? 国語辞典に載ってないんだ。」「あ〜国語辞典には載っていないよ。 流行語だからね。 『うるさい』とか『しつこくてイヤだ』って言うことかな?」「ふ〜ん。じゃあ例えば、 ボクが本を読んでいるのに、 ロック(愛犬)がボクにじゃれてきたりしたら、 『あ〜もう!ウザイな!』って感じ?」「うん。まあ、使い方としては合ってるね。 でも、『ウザイ』って言われるのと、 『うるさい』って言われるのでは、 お母さんは『ウザイ』の方が、 なんか嫌な感じがするなぁ。」「ボクも『ウザイ』って言われたら 嫌な気持ちがした。」「『ウザイ』って言われたの?」「うん。言われた。 意味がわかんなかったけど、 すごく嫌な気持ちになった。」「そうか〜。 じゃあ、そんな風にみんなを嫌な気持ちにする言葉は 使わない方がいいね。」「うん。良くない言葉だな。」意味が分からなくても、ちゃんと言葉の雰囲気を感じ取れるのび太。君は「KY」なんかじゃないよ。