手元にある本に、次のようなことが書いてあります。
あるアスペルガーの女の子が言ったセリフです。
「本当に自分が思ったことを言うと、いつも嫌なことが起きる。
だから自分はいつも二番目に思ったことを言う。
自分は本音で生きることができない、にせものの人間なんだ」
(あなたがあなたであるために 著・吉田友子 P47より)
これを読んだ時、私と同じだ、と思いました。
例えば私は友人にメールを送るとき、まずは思ったことを全部書いて、
その後、いちばん伝えたかった一文を消してから送信していています。
いつもそうしています。人と話すときもそうです。
私が本当に強く思っていることは、大抵、他の人の考えとはズレています。
私はそれに気付いていたから、いつの頃からか本音は言わないことにしてました。
多数派の感覚に合わせる為に、自ら考え出した一つの方法です。
そうするようになってから、他人とのトラブルを極力避けられたように思います。
こうして私は少しずつアスペの特徴を捨て、普通に近づいてきたのかもしれない。
だけど同時に、本音で生きられない自分が、とても悲しい存在に思えました。
それはとても辛いことでした。
現在の社会では少数派が多数派に合わせることが主流です。
それは仕方ないと思ってます。
でもそこに多大な弊害が生じていることを知ってもらいたいと思います。
「普通」に近づく工夫や努力をすることで、アスペルガーの困った特徴が薄れ、トラブルを避けられるようになるのは良い事ですが、
その一方で、深刻な二次障害が生じてしまうことや、かつて持っていたはずの優れた才能を失わなければならなかったこと・・
このような弊害を分かって貰えることで少しは気が楽になり、生きやすくなるかもしれません。