原点回帰

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Nice!

のび太小学校は、のび太幼稚園、中学校と隣同士にある。

これはいいもんです。

幼稚園の時は、小学校の校庭に「お散歩」に行き、
体育の授業を見たり、プールを見たりして、
「次はここに来るんだよ」という、憧れの場所になる。

のび太のような子にとっては、
「幼稚園の次の場所、姿」が見えて、「予告」にもなった。

中学生は授業の一環で、幼稚園に遊びに来てくれる。
大きいお兄ちゃんお姉ちゃんが、さらに憧れの的になる。

のび太が1年生のころ、1年間、通学路の整備のため、
幼稚園の前を通るコースが仮通学路だった。

これがまたよかった。

「幼稚園の前を通るとき、ここに先生がいるな、
 って思うと、ホッとするんだよ」

1年生ののび太は精神的にも不安定だった。

学校でも何度もパニックを起こしていた。

わけのわからない独り言をつぶやくのび太に、
幼稚園から仲良しだった子が
「お前何言ってるか、わかんね〜気持ちわりぃ〜」
などと言われていたころだ。

幼稚園の頃もいろいろあったけど、
のび太を認めて受け入れてくれた幼稚園が恋しくなったりしたのかな?

幼稚園の時、年中・年長と担任だったT先生に、
偶然、スーパーで会ったときに話してくださった。

「のび太くん、時々、私を呼んでくれるんだよね。
 うれしくってね、金網越しにいろいろお話してくれて・・・」

下校時、園庭の金網越しに先生の名前を叫んでいたらしい。

きっと、ココロの中で助けを求めていたのかもしれない。

2年生になって本来の通学路も整備され、
通学時、幼稚園の前を通ることはなくなってしまった。

「幼稚園の前は通れないんだよ。
 通学路じゃないから。さびしいなあ。」

ホントにさびしいね。

でも、いつものび太のそばにいるでしょ?
いつも近くで見ていてくれるでしょ?

先日、久しぶりに車で幼稚園の前を通ったとき、
突然、のび太が言った。

「幼稚園の時、しょっちゅう、職員室に行ってたんだ」

のび太はこうして、時々、昔のことを思い出しては教えてくれる。

「そうなんだ。どうして?」

「時々、頭の中が
 もやもやしたりグルグルしたりしたから
 そういう時、職員室に行って、
 カレンダーを見たり、新聞読んだりしたの。
 そうすると、気持ちがよくなるんだ。」

「そうだったんだ。
 職員室に行ってたのは知ってたけど
 理由はわからなかったからね〜。
 そうか〜もやもやグルグルしてたんだ〜。」

公立ののび太幼稚園は、今では知っている先生も一人しかいない。

でも、あの場所はのび太のスタートラインだったね。

のび太みたいに、「記憶」が薄れない人にとって、
幼稚園は大切な場所。

辛くて悲しいことも、いやなこともたくさんあったけど、
受け入れてくれる人がいて、落ち着く場所があった、
家以外の最初の場所。

時々、気持ちが「ここ」に帰るらしいです。


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