「自閉症原因、水銀中毒説」から発展し、水銀を体外に排出する「キレーション」という治療法(?)が、テレビで報道されたことを覚えていますか?
3〜4年前だったと思います。
水銀は、子供の予防接種や歯の治療に使われるものなどから、
体内に取り込まれ、うまく排出されずに、体内に残る。
それが、自閉症の原因ではないか?
だったら、その水銀を体外に出せば、自閉症は治る(かも?)
・・・・・といった趣旨の特番でした。
(私は詳しくわかりません。詳しく知りたい方は検索して調べてください)
この、報道の後、この治療はどこでできるのか、
どうすれば水銀量を調べられるのか、などの問い合わせが殺到したらしいです。
しかし、「原因、水銀説」はあくまでもアメリカの研究者の「説」であって、医学的に立証されたものではない(当時、今はわかりません)のに、テレビで報道されたのです。
もちろん、賛否両論あります。
私自身も自分なりの意見はあります。
でも、そういうことではなくて、医学的にも立証されていないことを、
まことしやかにテレビで報道することの怖さ、
そして、それを見ている側の受け止め方の怖さを実感した出来事でした。
私はのび太を妊娠したときの検査で、B型肝炎の抗体がプラスであることがわかりました。
これは、以前B型肝炎にかかったか、出産時に母子感染したか、ということでした。
思い当たることはありませんでした。
ただ、私の母親が若いときに黄疸で入院した、ということは聞いていたので、それが実は肝炎で母子感染した、ということなら考えられます。
・・・ということは、私の出産時も子供に母子感染する確立が高い。
この場合は、産まれてすぐと、1・2・4ヶ月にB型肝炎の抗体注射を接種しなければならないのです。
のび太は幸いにも母子感染はせずに出産しましたが、
生後すぐ、4度も予防注射をしたことになります。
こんな私が、あの報道を見て、何も思わないはずがありません。
私のせいで、のび太が自閉症になったのかもしれない・・・。
そうでなくても、子供に何かあれば、母親はいろいろ思い悩みます。
妊娠中に仕事を続けたから?
出産の時、へその緒が巻き付いていたから?
出産が3週間も早かったから?
・・・などなど・・・。
また、身近な人たちからも、そういうことで責められている母親はたくさんいます。
「自閉症の子供が産まれたのはあなたの血筋のせい」と義父母に責められて、精神を病んで子供を抱けなくなり、入退院を繰り返す人、
「そんな孫ならいらない」と子供と一緒に縁を切られて実家に戻った人、
・・・夫婦二人の子供なのに、責められるのは大抵、母親。
冒頭の報道に関しては、私は信じていません。
でも、その治療をすることを否定もしません。
親が子供を思い、何とかしたい、という気持ちも理解できます。
それぞれ、親が選択して、いいと思ったことをやるしかないんです。
ただ、報道するなら、確証のあることを報道してほしい。
医学的なことはなおさら。
そのあいまいな報道が、命や尊厳にかかわるかも知れない、
ということを肝に銘じて報道してほしい。
私みたいに、打たれ弱くて気の小さい(???)母親は、
時々思い出しては、ウジウジといつまでも引きずってしまうのだ。
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