みなさんのお子さんは、自分のことをなんと言いますか?
高校生の時、ブリブリなクラスメートが「『ゆみ』ってね〜」なんて、
自分のことを名前で言う女子、大っ嫌いでした。
でも、これが幼稚園くらいの女の子だと、可愛いわけです。
のび太も幼稚園まで、自分のことを「のび太くん」と言っていました。
ふつう、自分のことを名前で言う子でも、さすがに自分の名前に
「ちゃん」「くん」はつけないのは、
きっと、親と自分の関係が成り立っていて、
親が子供を呼び捨てで呼ぶのを真似ているんでしょう。
親に呼ばれているとおりに、自分のことを「みーちゃん」とか言う子もいるし、
きっと、そういうことなんでしょうね。
入園前、のび太はおそらく、自分が「のび太」という名前がついていることも
よくわかっていなかったかも知れません。
ただ、がりんご、がおにぎり、と同じように、
「この人」は「のび太」という名称らしい・・・
って位の認識ではなかったか、と思います。
幼稚園に入園して、のび太は自分のことを「のび太くん」と言っていました。
幼稚園で、みんなから「のび太くん」と呼ばれていたからでしょう。
私は「のび太」と、呼んでいたのに、
みんなから呼ばれる「のび太くん」の方がのび太には印象的だったのでしょうか。
幼稚園の運動会のかけっこでは、走る前に名前を言います。
年少さんは、先生が名前を呼んで「はい!」とお返事をする。
年中さんは、自分で名前を言います。
このときのビデオを見ると、
「野比のび太くんです!」と、やっぱり一人だけ自分に「くん」をつけています。
年長になって、秋ころだったと思います。
先生からの連絡帳に
「今日、のび太くんに『オレ』って何?って聞かれました。
お友達がみんな、自分のことを『オレ』って言い出しているんです。
それを聞いてなんだろうって思ったのだと思います。
『オレ』っていうのは男の子が自分のことを言うときに使うんだよ、
って話したのですが、わかってくれたかどうか・・・」
・・・と、ありました。
このくらいの年齢の男の子はそれまでの『ボク』から『オレ』を使いたいお年頃。
でも、のび太は「ボク」には疑問を持たなかったのに
「オレ」に変化したことに反応したのでしょう。
家でも「『オレ』ってなあに?」と、聞かれました。
これは、先生と同じ説明のほうがいいだろうと、
先生がのび太に説明したように、私も話しました。
「男の子が自分のことを言うときに使うんだよ」
すると今度は
「『自分』ってなあに?」
「自分」ってなあに?
絶句でした。
恥ずかしながら、絶句してしまった私。
考えに考えて、
「のび太から見て、のび太のこと、お母さんから見て、お母さんのこと、
○くんから見て、○くんのこと」
・・・・・。
わかったのか、わからなかったのか、わかりません。
着替えなど私が手を出すと
「自分で〜自分で〜!!!」とパニクっているのに、
「自分」とはなにか、わからないのび太。
確かに当時はまだ、自閉症丸出しだったのび太にとって、
「自分」というものの理解は難しい事だったでしょう。
その後、のび太の中で、どう、理解していったのか、わからないけど、
「自分」と「自分以外の人」の認識ができるにしたがって、
自閉色が薄れてきたような気がします。
今は自分を「ボク」と言う、のび太。
「のび太くん」→「ボク」の、「→」の間ののび太の心をのぞいてみたかったなあ・・・
なんて思います。
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