のび太が入学前まで通っていた療育「ケロケロ教室」は、
のび太のような軽度発達障害の子から、重度身障児まで、
幅広い障害児をひとまとめにして療育しています。
さすがに4歳以上の活動は障害の度合いによって、分けられていますが、
未入園児はのび太のように動きの激しい子から
車いすやヘッドギアに杖の子まで同じ部屋で同じメニュー。
信じられない!!!って思われる方もいるでしょう。
でも、仕方がないんです。
この街で障害児の療育施設はここしかないんです。
就学を考えるこの季節になると、
入学予定のお母さん方と教育委員会の方との、
説明会&個人面談がケロケロ教室で行われます。
養護学校や特学の見学なども催されて、気持ちがあわただしくなります。
私ものび太が年長の頃のこの時期、悩みました。
通っている幼稚園の隣にあり、お友達も全員入学する学区内ののび太小学校にするか、(情緒の特学は当時なかった)
隣の学区で、特学が3クラスあり、言葉の教室もあるY小学校にするか・・・
のび太は何とか「普通学級で大丈夫」と言われていたので、
特学在籍は考えていませんでしたが、
万が一、今後、何があってのび太が崩れるかもわからない、
そんなときに、校内にのび太を受け入れてくれる
情緒の特学があった方がいいのでは・・・
などと、悩んでいました。
教育委員会の方達の説明会で、入学までのスケジュールなど説明を受け、
最後に何か、学校や教育委員会に要望などあれば・・・
と、質疑応答になりました。
「うちの子は歩くのが困難ですが、知的にはなんら遅れていません。
学校の階段に手すりさえつけてもらえれば、
学区内の小学校の普通クラスで充分やっていけるので、
手すりをつけてください」
「うちの子は体温調節ができなくて体調を崩します。
それによって精神的にも崩れます。
エアコンさえつけてもらえれば、
学区内の兄弟と同じ小学校の特学に通いたいので、
特学の教室にエアコンをお願いします」
・・・・・これを読んで、「そうよ!その通りよ!」って思う方もいるでしょう。
親として、自分の子供のためにお願いするのは当然。
愛する子供のためなら何でもやってあげたい。
じゃあ、私も・・・
「うちの学区内の小学校に情緒の特学を作って下さい!
そしたら、今後のことも心配しないで普通クラスに入学させます」
・・・とは、言えません。
結局、情緒の特学のない学区内の小学校にのび太を入学させました。
「幼稚園のお友達と学校に行く!」
というのび太の希望に答えて、
学区内に家も建ててしまいました。
入学後、ケロケロ教室で一緒だったお母さん方と(みんな違う小学校)
市内に情緒の通級がないので、どの学校にでもいいから設けて欲しい、
という要望は教育委員会に出しましたが、
自分の学校に作れ、とは 誰も言いませんでした。
自分の子供ひとりのために、どこまで要求できるのか、
わが子を思えば当たり前の要求なのか、
要求に応じてくれない市や教育委員会が悪いのか、
私にはわかりません。
ただ、小学校というある意味、集団生活の第一歩で、
「みんなと同じ学校で」を求めながらも、
「我が子のためにだけ」の大きな要求はどうなんだろう・・・?
この季節になると、思い出しては考えさせられる出来事です。
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