そして、これと言った出し物の無い夏休みは2日目を終えたところ。
サマー・キャンプ、サマー・スクールを終えた後が、ベンにとっての本格的な夏休みで、学校が無いことを本当に嬉しく思っているようだ。
その分、「Where are we going tomorrow ?」と、しつこく聞かれるので「自分が行きたい所は無いのか?」と聞くと、「Ummmm~ I don't know」となってしまう。
それは僕にとっても同じことで、そんなに毎日予定をたてておくことが出来る筈もなく、「行き当たりばったり的なアイディアで、あまりお金を使わず、時間も無駄にしない何か」を考えつくのに費やす時間が午前中になる。
もちろん用事があれば、それに合わせた予定になるので選択肢も無くなるが、時間がある時にはきっと誰もが親心として「何か夏休みでなければ出来ないことを」と考えるだろう。
作戦のひとつとして、NY観光というのがある。せっかくNYに住んでいるのだから、観光で訪れる人が行くような場所に行ってみるというものだが、これは結構な新発見があって楽しい。
例えば、ハード・ロック・カフェなどは、地元の人は先ず行く事の無い店だが、アビーロード・スタジオのドアや、ジミヘンの衣装、ポールの使ったホフナー・ベースが飾ってあったりして、ちょっと音楽好きな人ならかなり楽しめるだろう。
お金のかからない楽しい乗り物としては、スタッテン・アイランド行きのフェリーというのもある。遊覧船が20ドル以上するのに対して、このフェリーは無料で、自由の女神もちゃんと見る事が出来る。
こうした場所に行くのは自分も旅行している気分になれるので、子供に付き合っているという感覚よりは、自分の興味と兼ね合わせて、子分を連れて楽しんでいるという感じだ。。
ただ、ベンはどうしても本屋に行きたいという呪縛からは未だ解き放たれることは無く、2日に1度は本屋か、本のある場所に連れて行かなければならない。
今日は近所の図書館で我慢をしてもらったが、ベンにも「休みになれば、大きな本屋さんに頻繁に行ける」という期待があるためか、しきりと大型書店の店名と場所を言って来たりもする。場所を言うのはその支店が大きいからで、例えばバーンズ&ノーブルスなら、ユニオン・スクエアにある特大の店に行きたいわけだ。
それでも、以前に比べれば説明して納得してくれることも多くなった。「時間が無いから今日は近所の図書館ね」と説明すれば、不服ながらも従ってくれる。
ニュース・スタンドで雑誌の立ち読みは出来ないが、大きな本屋さんなら出来る。僕らには何となくわかっている暗黙のルールというのも、場の雰囲気を全く読めないベンには説明して理解してもらうしかない。
説明しているそばから、平気で新聞を立ち読みしたりする人が居るのがマンハッタンなのだが、こうした細かいルールを積み上げることによって少しずつでも一人で行動出来る様になってくれればと思う。
明日は朝一番で、大きな本屋さんへ向かう。
Hard Rock Cafe 良いコンセプトです。