新聞より

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Nice!

朝日新聞読者の投書欄に、ほっと心の和む記事を発見。
本当にどんなにささやかなものであっても、気持ちのこもった温かいまなざしがあるということが、疲れている心を励まし、くたびれた気持ちをなぐさめてくれるのだなあと思います。出勤前に新聞を読みながら、「今日もがんばろう!」と思ったことでした。

~~以下、朝日新聞7月25日朝刊より~~
56歳 男性の投書
『自閉症の長男が書店に行くというので付き合った。目的の本を買い、独特の動作で機嫌のいい長男と連れ立って店を出ると、「失礼ですが、お父さんですか」と見知らぬ青年から声をかけられた。
 「はい、そうです。すみません、何かご迷惑でもおかけしたでしょうか。」とっさにお詫びの言葉が出てしまう父親の私。詫びる事が習性になってしまった自分に、情けなさと不安な気持ちが入り混じった。
 青年は慌てるように「いいえ。私は春から自閉症の人のお世話をしている新米教師です」と言った。地下鉄の車内で息子を何度も見かけ、学校の子と同じだと気付いたという。何事もなければいいなという気持ちで何度か声をかけようとしたが、できずにいたそうだ。なぜなら、突然声を掛けられるとパニックになる子もいるからだ。「私は経験が浅く、自信がなく見ているだけでした。そのことが申し訳ないという気持ちと、車内では息子さんはとても立派なので、それをお伝えしたくて」と言葉を結んだ。
 息子が通う作業所の関係者でもないのに、と胸がいっぱいになった。親の知らぬ所で、見知らぬ人が温かく見守ってくれている、その現実を知っただけで、幸せな気持ちになった。』