自閉症療育:伝統工芸職人修業
「手を磨きなさい!」
これが、私の自閉症療育の師の教えでした。
右利きの人って、左手は右手のように使えませんよね。
けれど、右手が使えなくなったら左手が使えるように努力する。
努力して磨けば左手も自由に使えるようになる。
自閉症の息子を左手と考えれば、使えないと諦めるのでなく、使えるように訓練しなさいって教わりました。
限界はあるけれど、可能な限りの努力をしなさいって!
使える手になったとき、仕事ができる人、役に立つ人になるから。
最終的に、職人技を身につけさせることが理想でしたが、なかなかそうは言っても指導してくれる職人さんが見つからない。
自閉症の息子が興味を持ってできる職人仕事が見つからない。
普通の人に比べると劣っているかも知れないけれど、仕事ができる手、単調な仕事でも真面目にコツコツと継続できる人には育ちました。
自閉症の息子の仕事を考えたときに、やり方が一定していて一度覚えれば考えなくてもできること、面白くはないだろうけど、彼に分かりやすい仕事ということで、今のクリーニング工場へ就職しました。
彼は、職場で使える手、作業能率の良い人になっています。
が、転機が訪れそうです。
昨日、ある伝統工芸師さんの工房に息子と一緒に行ってきました。
息子の特性をよく理解し、色々と支援してくださる方が彼に向いているのではないかと紹介してくださったのです。
彼がこの伝統工芸に興味を持つか、続けられるかは未知ですが、できるかできないかやってみようということになり、週2日ある休みの日に修業に出かけることにしました。
電車とバスを乗り継いで家から1時間弱で行けるので、一度帰宅してから電車バスを乗り継いで工房までの行き方練習を済ませました。
10年後の職人を目指して、新たな挑戦が始まります。
工房へ一緒にオジャマさせていただいた夫と私もこの伝統工芸に興味を持ってしまいまして、ひょっとしたら10年後は親子三人で工房やっているかもです(^_-)-☆