自閉症の子どもと暮らす家づくり(48)

7
Nice!

一般の消費者が個人向けの注文住宅を建てる際のパートナーとなるビルダーについて書いています。2)ローコスト系工務店一般的に、「安く家を建てたい」と思ってネット等を検索して出てくるビルダーの大半は、このカテゴリに入ってくるのではないでしょうか。いまは「工務店」という名前でやっているところは少なく、もっとおしゃれな名前(英語やフランス語であったり、職人・匠風の日本語であったり)がついている場合がほとんどですが、その実態は、家造りを受注し、大工を集めて家を建てる、昔ながらの工務店そのものです。そういった工務店のなかでも、特にローコストで家を建てることをウリにしているところがたくさんあり、そういったところをここでは「ローコスト系工務店」と呼んでいます。坪単価でいうと50万円より下あたりのゾーンでしょうか。都市部のコンパクトな4LDKで見積もった場合に、標準仕様では1000万円台前半〜中盤くらいの金額が(最初に)出てくるイメージです。このタイプの工務店は、標準仕様ではパワービルダーと同じような建築部材を使っている割にはパワービルダーよりも単価が割高ですから、もし「建売と同じような家を建てる」のであれば、選ぶメリットがあまりありません。でも、こういったビルダーはたくさんあって、それぞれが独自のこだわりや得意分野を持っています。それは、「地元の無垢木材」だったり、「独自の工法」だったり、「建売よりワンランク上の断熱仕様」だったり、「ユニークな外観デザイン」であったりといろいろです。もしも、そういったビルダーのもつこだわりや得意分野と、自分が建てたい家の志向がうまくマッチした場合、狙い通りの家をリーズナブルに建てることができるでしょう。後で説明しますが、建てたい家へのこだわりがどんどん強まってくると、最後は「建築士に依頼」に行き着きますが、これだとコストは相当高くなります。そこまでコストはかけられないけれど、それなりに深くこだわって建てたい、といった場合、内部に設計士を抱えていて、こだわりの仕様を柔軟に受け止めてくれるような工務店がうまく見つかると、あちこちにこだわった自分なりの家を比較的安く建てることができます。そういった意味で、工務店での家づくりというのは、「こだわり度」という点で、「建売系パワービルダー」と「建築士に依頼」の中間に位置する選択肢だ、といえるんじゃないかと思います。なお、ローコスト系工務店の場合でも、リーズナブルに建てるコツは、標準仕様からの逸脱を最小限にすることです。一見非常に安いように見えても、標準仕様がショボくて、いろいろグレードアップしていくと非常に割高になっていくパターンも多いです。ローコスト系ビルダーのパンフや見積もりを見る際には、標準仕様としてどのような部材が使われているか、そしてその仕様で自分は満足できるか(できないなら、もう少し標準仕様のグレードが高いビルダーを探すべきです)ということを最初にチェックするようにしましょう。