異才発掘プロジェクトの特集番組(ETV特集)をみて考えたこと(1)

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Nice!

先日紹介したETV特集の異才発掘プロジェクト、本放送を視たので感想を…と思っていたが、一見「うまくいってるね、よかったね」ってなつくりに見えるが、正直いって重いテーマがてんこ盛り。

学校教育の問題、家庭環境の問題、プロジェクト自体の矛盾。

感覚の問題、身体の問題、誤学習の問題…とまあ、考えさせられることがいっぱいだ。なかなか奥が深い番組だったと思う。

ってなわけで感想が長くなりそうであるがとりあえず書き始める。

今日はとりあえず番組で何回か繰り返しでてき出てきた「友達」の問題、そして、中盤で出てきたノイズキャンセリングツール使用に関する部分について書いてみる。
みんな仲良くの呪縛?
発達障害児者ではコミュニケーションの問題が幼少期より浮上するケースは多い。そして、本人も親御さんも「友達ができない」という問題に悩むケースは多い。

確かに趣味の範囲がかけ離れていたりすると話題が合いにくいといった問題はあるかもしれない。だが学校で友達がいないことが居づらさや不登校にまで繋がるというのはどういうことだろう?

「友達はいなくてはいけない」「みんなと仲良くしなくてはいけない」というような思いこみがありはしないか?「みんな仲良く」幻想が彼らを縛っているのではないか?ということを思わないではられなかった。

つまり、何らかの誤学習が絡んでいないか?という

秀でたところをのばしていく中で「変っている」といわれることを「外からの評価」として自分の内面が影響を受けないようにするのは別に悪くは無いことだとは思し、彼らにとっては救いになったかもしれない。

ただ、彼らの中の誤学習しやすさというものが解消されていなければ、あるいは自分で誤学習を修正できるようになっていなければ、同様の「自分を縛る幻想」が現れてしまう可能性は依然あるだろう。

プロジェクトではそういったところへのアプローチはあるのだろうか?

そんなことが気になった。

ツールの利用と学校の理解

さて、次は過敏対策ツールの問題

番組の半ばで、ノイズキャンセリングヘッドホンやタブレットを学校で利用することを中村教授からすすめられて、使用するようになり、学校での授業参加ができるようになってきたという話が出てきたが、この部分をみた時、私のアタマには最近あるお母さんから聞いた話が浮かんできた。

掲載許可を取ったのでちょっとその話を紹介する。

B君は6年生になる発達障害を持つお子さんで、支援級に在籍してはいるが2教科を除き授業は交流級で受けている。

だが、6年生になったあたりから聴覚過敏がひどくなり、授業を受けれないことが以前より多くなってきた。

そこで、聴覚過敏対策として、ノイズキャンセリングヘッドホンを使用しはじめ、B君もヘッドホンを気に入ったので、学校でも使用できるようにと、診断書を添えて学校に使用できるようお願いしたものの、他のお子さんや保護者への説明の問題を

普通級での使用について「他のお子さんや保護者への説明」「今までなしで過ごしてきたのだから」などという理由で学校側から難色が示されたため、お母さんは教育委員会に穏便になんとかならないかと相談、その後学校側からルールを守って使用するという条件付きで許可するといってきたという。

Bくんはその知らせに喜び、俄然勉強への意欲もわいてきて、お母さんも少しほっとした様子だった。

だが、フタをあけてみたら支援級の担任が作成したルールがとんでもなかった。

nc_rule.jpg

このようなものになったのは、「将来ヘッドホンがなくては生きていけない子になっては困るから」といった理由だそうだ。

これでは使用許可といっても意味がまるでない。

ショックだったのか(とは思う)Bくんはその後、とうとう学校へ行けなくなり、さらには起き上がれないといった状態にまでなってしまい入院加療を余儀なくされている。

Bくんのケースはある意味最悪のケースであるが、学校の現場はまだまだ感覚過敏に関する理解が進んでいない場合もある。

この番組の中で出てきた小学生のうまくいったケースの話を見ながら、もし、中邑教授の薦めや、教授自ら学校へ出向いての協力要請がなかったら、そんなにあっさりツールの使用が許可されただろうか?

Bくんのケースを思い浮かべながら私はそんなことを考えてしまった。

もちろん、こういった番組でさまざまな対策ツールが紹介されることは、その使用が広がるきっかけになるだろうし、後押しにもなるだろう。

だが、現実問題としては交渉に難儀するようなケースもあるということもまた事実なのだ。学習障害の場合のタブレットの利用にしても結構難儀するといった話も時折聞こえてくる。

まあ、別に学校の先生ばかり悪者にしたいわけではない。

というのは学校の先生は聴覚刺激には強い方が多いと思われるからである、学校の音環境が屁のカッパでなければ学校の先生をやっていられないだろう。聴覚刺激に強い人にとって聴覚過敏というのはとても理解しにくいものだとは思うのだ。

ノイズキャンセリングツールはじめ様々なツールによって日々の暮らしが楽になる場合は多い。しかし、学齢期のお子さんでその利用許可を学校に求める場合は、素直にいくケースもある反面、学校との交渉に難儀するケースもある。

ノイズキャンセリングツール、アーレンレンズやサングラス、タブレットなど、各種の補助ツールの利用が容易になれば、生活における負担が格段に少なくなる。学齢期は基本学校での生活時間が長く、環境を選びにくいことから負担の軽減は切実になんとかしていかなければいけない問題だろう。

おまけ:去年作ったものだが聴覚過敏体験サンプル動画なんてのもあるので、もし人への説明に役にたつなら使っていただいて一向に構わない↓。
自閉症スペクトラム児者の聞こえ方を疑似体験してみる動画)

 
続き、異才発掘プロジェクトの特集番組(ETV特集)をみて考えたこと(2)はこちら
 
 


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