そんなわけで、我が家の家探しは「いくつかの候補で迷う」といった以前の段階、「そもそも候補に入れられるような物件がほとんど存在しない」というところでいきなり頓挫してしまいました。建売には、自分たちが希望するようなスペックの家は、一言で言えば「売る側があまり儲からないから・うまみがないから」という理由でほとんど存在せず、中古住宅はそもそも流通量が少なく、希望するスペックに合った物件を細かく探すというよりは、実際に売られている物件でたまたま条件が合えばお買い得なこともある、といったものでしかなく、今回の我が家のように、「近接エリア内での戸建て→戸建ての住み替え」という、「希望する物件スペックありき」の物件探しにはどちらもまったく向いていないことが分かってきたわけです。もちろん、この問題をダイレクトに解決する方法が1つあることは、最初から分かっています。新築の注文住宅を建てる。この選択肢であれば、単に「スペックを満たす」という条件だけで考えれば、間違いなく希望を満たした、条件に合致した物件を手に入れることができるでしょう。ただ、この選択肢は、当初ははなから外して考えていました。その理由は、やはり費用の問題です。注文住宅というのは、建売と比べればとにかく高くて、建売(ないし中古)住宅の予算しか想定していない我が家にとっては高嶺の花でとても手が届かない、と考えていたからです。今回は、今まで住んでいた家よりも「広い家」を探していますから、その分、土地代も高くなります。希望エリアの土地の坪単価(実売)はだいたい110万円から135万円といったところで、現在住んでいる家のエリアより若干安いですが、それでも上記レンジの上の方に入っていますから、それほど大きな違いはありません。このようなエリアで、現在の家よりも6坪=20m2ほど広い土地を手に入れようとすると、それだけで110〜135×6=660〜810万円余計にかかる計算です。現在の家を売却して次の家の資金にする計画でいたわけですが、現在の家は建売かつ築10年以上たっていますから、土地代に上乗せして「売れる」価値としてはまあ500万円程度だと考えると、・現在の家を売っても、新しい家の土地代さえ全額はカバーできないという事態になることがほぼ確実です。(広くなる分の土地代>現在の家の建物部分の売値、となるため)ここで、次に買う家が建売だとするなら、土地代に上乗せされる「建物代」は相場的には1500万円程度、売れ残って値下げされたお買い得物件なら1000万円程度しか上乗せされていないこともありますから、売買での仲介手数料や引っ越し費用等を考慮しても、住み替えによって生じる新たな負担は2000万円以下に抑えることが可能と思われます。ところが、注文住宅ではこうはいかないでしょう。当時の私の中では、「注文住宅=3000万円」というのが、1つのはっきりしたイメージとしてありました。そのイメージが生まれた理由については次のエントリで書くつもりですが、ともかく、注文住宅だと最低3000万円はかかるから、土地代と合わせた住み替え費用総額は予算をはるかに上回るものとなり、土地代の不足分や各種別途費用とあわせて、4000万円近い新たなローンを抱えなければならなくなるんじゃないか、そう考えていました。