吉田友子さん・・・

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Nice!
 今日は一日、よこはま発達クリニックの吉田友子さんの講演会に出かけました。 一言・・・とにかく・・・はぁ~と嬉しい気持ちに包まれているというのが、今の一番の感想でしょうか? ここ近年、服巻智子さんやニキリンコさんと、アスペルガーに理解のある(ニキさんは当事者ですが)方の講演を聴いてきて、今日は吉田さんの講演会は、出かけて良かったと思わずに入られませんでした。 この街の自閉症関連の研修・講演会に行くと、必ずオーソドックスな自閉症と高機能自閉症を分けている事が多く、それが、自閉症スペクトラム(連続体)という認識はとても薄いと感じていました。 それを良いとも思っていませんでした。 そこを分けてしまう事で、昨年のKEYの問題のように、アスペルガーは自閉症にあらず・・・もしくはオーソドックスな自閉症よりも困難が少ないだろうというような誤解を招きかねないので。 吉田さんの講演は、スパっとスペクトラムを示唆するもので、ある意味小気味いいものでした。 折りしも、昨日の記事で書いた、耳塞ぎの耐性についても、吉田さんが同じ様な事を言っておられて、自分自身の感じ方と専門家の見解が一致を見たという事は、心強い思いでもありました。自閉症の子供が精神的なコンディションが悪くなった時に、原因を一つしか導き出せないのは問題である、それは評価自体が間違っているし、躓きの本質を捉えていない事だと言う指摘も、昨年の付き添いの中で起こった、私とKEYに対する問題でも、終始一貫して私自身が主張してきた、原因はKEYだけ(一つだけ)では無いという事が、証明させれたのではないかと感じました。 但し、この話を聞いて、すぐにその問題に直結させるのかどうかは、私にはわからないことですが・・・ ただ、見識者である吉田さんと、あの時の私の見解が一致したという事は、かなり心強い事だと思います。 また、その吉田さんから出るエピソードは、私自身の子供時代や思春期にも重なるものが多く、私の生きる上での困難さを、再確認するものでもありましたが、最後の言葉は忘れられません。『自分の人生を誇りを持って選び取ってほしい。一時期、自閉症の親御さん達は自分達の子が如何に納税者になるかという事が大事だった。それも、自立という意味では大切だが、それは法改正があれば就労の選択肢は広がる。それより、障害(多数派の人より脳タイプが違っても)があっても、自分自身が自分らしく生きていけることの方が大事です。』 この言葉は、当事者にとってとても大きな意味を持ちます。 納税者にならなければというような、プレッシャーは、例えば良い高校に入りなさい・・・良い会社に入りなさい・・・医者になりなさい・・・教師になりなさい・・・公務員になりなさいと言うような、定型発達の子供さんでも直面するような、保護者からの過度のプレッシャーです。 それよりは、あなたがあなたらしく生きればいいよといわれることは、最大の『他者からの肯定』だと私は思います。 私自身は、自分の困難は親から気付かれることが無く、この年齢までやってきました。 それは、『普通である事』(定型発達児と同等レベルである事)を強いられたからです。 私の場合、生きる困難があっても、知的なレベルがあったために、その困難を補ってきてしまいました。 吉田さんの講演の中にも出てきたエピソードのように、出来ない事をできるといって、知能で補ってしまってきたのです。 そのため、結果として本質的な理解をしていないので、嘘をついたという結果になります。そういう形で、親もこの子はいつも嘘をつく子供だと罵る訳です。 もし、あの時に、親がどうして本質的な理解をしていないのに、できるというのかと言う所に、着眼点を置いてくれたらなら、私の人生は変わっていたかも知れません。 もっと、他者(親や教師)から肯定感を受けて、自分が自分であることに自信を持って思春期を過ごしていたかもしれません。 吉田さんや服巻さんの様に、アスペルガーの子供を肯定する人は、私の周りではとても少ないです。 自閉症教育に傾倒している、皆から頼られている人でさえ、アスペルガーの子供の苦しみは、余り理解されなかった事は、私自身も身を持って感じています。 そういう意味では、今日吉田さんが、講演の全ての場面で、カナータイプ・アスペルガータイプに分けず、広汎性発達障害を含めた、『自閉症スペクトラム』として話をして下さった事は、とてもありがたく嬉しい気持ちで満たされました。 また、今日お会いした人の一人の方が、私が当事者という事を知った上で、何の衒いも無く普通に接してくれた事が、何より嬉しかったですし、以前、KEYのことで、こんな風に工夫しているという話をしたところ、それをご自分も試したら、上手くいったという話をしてくださって嬉しく思いました。 自分が誰かの役に立つのだと思える事も、私自身が自己評価を上げる手助けになります。 それを思って帰ると、KEYが玄関の靴を片付けてくれる事やMIEが毎日ご飯を炊いてくれる事が、本当にありがとうという気持ちにさせてくれました。 今日はそういう意味では、その方に私のほうが、自己評価を上げる ヒントを貰ったような気がして、ありがとうございますと言う気持ちです。 そんな訳で、今日は何だかちょっと幸せなテンションの高い夜を過ごしています。