私の趣味であり特技でもある物作りをいかすために、ショップ開いたり、お店で販売したり、本に掲載したり・・・いろいろとやってきた話を書きましたが、これらは全て、アスペルガー診断後の出来事です。診断後、たくさんの支援本を読みました。「得意なことをいかそう」「才能を伸ばそう」・・・今まで(診断前まで)散々失敗を繰り返してきた私には、このような言葉が心に響きました。そしてあらゆる挑戦が始まったわけですが、既に書いたとおりで、ことごとく失敗しています。と言うか、作品を買ってもらったり、賞を頂いたり、そこだけを見れば「成功した」と言えるかもしれないけど、その都度、コミュニケーション能力の欠陥を痛いほど思い知らされ、そのことによるトラウマが、成功した喜びよりも大きく、つらい記憶として残りました。私は人とのコミュニケーションが特に苦手なので、コミュ力の低さについての経験談をいくつか書きましたが、それだけでなく、想像力も社会性も、かなり低いです。アスペルガーとはそういう障害です。(しかも私はわりと重度です)はっきり言って、コミュ力も想像力も社会性も無いアスペルガーが、世に出て成功しようだなんて、到底無茶な話です。しかしながら、困難をものともせず、才能を開花させている当事者もいます。特別な偉人の話ではなく、一般の当事者です。メディアやネット上では、そのような一部の当事者が目立つので、「アスペルガーでも頑張れば成功するんだ」と思ってしまいがちです。でも頑張っても日の目を見ない当事者の方が遥かに多いと思います。私は、得意を活かすことに反対しているのではないです。頑張るのは良いことだと思っています。でも私の場合、やり方を間違えたと思う。私は苦手部分をどうするか考えるよりも先に、得意を活かすことに必死になっていました。「認めてもらいたい」「仕事に活かしたい」「開花させたい」・・・そればかり考えていました。そんな必死にならなくても、「好きなことがある」「得意なことがある」ってことに自分で気づくことができているだけで、今は充分だと思っています。いつかまた何かに挑戦してみたい気持ちもありますが、その前に、自分の特性(特に苦手部分)について、しっかり考えたいです。