彼女は、今回の本では、講演会でもふれていた就職活動の事もかかれています。
就職活動においては、自分を売らない事。自分の技術を売る事。
これは、どういうことか?というと、アスペルガー症候群を含む自閉症の子どもは小さいときから家族や周りの人から
「あなたは素直だから。そこがいいところだから。」と言われて育つ子どもが多くいます。就職活動になるとそれを売り込もうとする人がいるということです。こういうやり方をしないということですね。
というのは、自分の性格などを主軸に売り込むと、落ちたときに思い悩んでしまうというのがあります。自分が否定された気分になるからです。入社試験を受けるということは、その会社に入社して自分の技術を使い利益を生み出すということ。
なので、会社に売り込むのは自分ではなく、技術であるべきということです。例えば、自分はこの会社に対してこのような技術で貢献する事ができる。という売り込み方です。これなら、会社も自分がその会社で必要とされているのか?必要でないところで働くことはない、ということです。
上記は本のざっとした内容と講演会でおっしゃっていた事ですが、たしかにそうだと思いました。
技術といわれるとなんだか、すっごい物を作ったり、コードを書いたりとかを想像しますが、たとえば間違いなく数値を入力できるとか、製品をまちがいなく綺麗に並べられるとか、そういうことも技術ですね。困ってるお客さんを一番にみつけて声をかけることも技術ですね。
けど、この就職試験の望み方は、自閉症じゃなくても有効だと思います。自分の必要な技術を必要な場所で有益に使い、それで利益を生み出す。技術のマッチがないところで、自分の技術が必要でなはないところなどで雇われて、効率的に利益を生み出すのは大変です。さらに自分の性格などを主軸に売ると、採用を断られたりするときに自分自身が否定されたような気になりますし。
自閉症は真面目な人が多いです。失敗や思った結果が得られなければ、思い詰めたりする人も多く居ます。自閉症の人のフルタイムの雇用率が10%を切ると言われるアメリカ。厳しい就職受験時に、とっても大事な心構えだと思いました。