なんか、レベルアップしたかも

14
Nice!

「遊ぶのってメンドクサイことがあるから 無理して遊ばないことにした」「休み時間とかって、何してるの?」と、聞いたときの、のび太の返事。のび太は典型的な積極奇異型の高機能自閉症だ。とにかく、自分勝手にむやみに人とかかわりを持とうとして今までどれだけ周りに煙たがられ、また、その「仲間に入りたい」気持ちをいいように利用され、嫌な役目を押し付けられたり、さらに、いじめられ嫌がらせを受けたりし、散々傷ついてきた、のび太。小さい頃は、一緒に遊びたい時は「まぜて」って言うことなんていう、初歩的なきっかけの掴み方を教えたこともある。それも小学校低学年までは何とか揉め事もあったりしつつも、遊ぶことは出来ても、周りの子供たちが成長すると共にのび太はどんどん浮いてきた。そして、それを敏感に察知する子は巧妙にのび太に嫌がらせをし、周りも同調していく。それでも、担任が事あるごとに解決してくれているうちはのび太もくじけながらも、仲間に何とか付いて行ってた。しかし、去年の担任がのび太に対するいじめを放置し、さらにケンカ両成敗なんて言いだし、被害者ののび太にまで罰を与えたことにより、いじめはどんどん拡大して、のび太を追い詰めた。「お友達と遊ばなくたっていいんだよ。 休み時間にひとりで本を読んだり、 好きな漢字を書いたりして過ごした方が よっぽどいい気持ちの休み時間を過ごせるんだよ。 誰かと遊んで嫌な気持ちになるなら ひとりで過ごす方がいいんだからね。」何度、言い続けても、のび太は誰かと共に過ごすことを選んだ。そして、もちろん、傷ついた。ボロボロだった。万が一、のび太に何かあったら、この担任を訴えてやる!!!とまで、思った私。5年生になり、いじめを絶対に許さない!をモットーにしているC先生のおかげで、クラス替えしてすぐにいじめが無くなった。子供は、「いけないこと」「悪いこと」と、わかっていても誰かに軌道修正してもらわないと止められないものなのだ。子供と言うものはそういう点が未熟なものなのだ。きちんと軌道修正してあげられない大人の責任は大きい。とてもとても、辛い時期を過ごしたのび太。できれば、こんな辛さは経験させたくなど無かった。だけど、人生、無駄な出来事などないのだ。のび太は、5年生の目標に「相手の気持ちを考えられる人になりたい」と、書いた。他の子が「スポーツが上手くなりたい」とか「勉強を頑張りたい」と書いている中で、「相手の気持ちを考えられる人になりたい」と書いた、高機能自閉症ののび太。相手の気持ちを察することが苦手と言われる自閉症ののび太が「相手の気持ちを考えられる人になりたい」・・・と。そして、こうも言う。「ひとりでゆっくりしている方が楽なんだよ。」「そうだよね。楽だよね。 でも、なんか、そういうのって、ちょっとオトナな感じじゃん」「そうかな?でも、結構、一人でいる人、いるよ。 ○くんとか、△くんとか」「へえ~じゃあ、そういう人たちと一緒に遊べばいいじゃん」「ダメだよ。せっかく、みんな一人を楽しんでいるんだから、 邪魔しちゃ悪いでしょ」なるほど。痛みを知るのび太は、幼いながらも「わかってる」ヤツだな。発達障害というものは、今のところ、完治しない。だけど、高機能自閉症であるのび太はワンランク、レベルアップした感じがした。私の中で、このメロディが響いた(チャララランチャッチャッチャ~♪「fromドラクエ・レベルアップ」)