教師を諦めた理由。

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Nice!

つづき。取得した教員免許の科目は、社会科(中学の社会と高校の地歴・公民)でした。社会科は苦手でしたが、私の通う学科では社会科の免許しか取得できなかったのです。でも私はとにかく教師という肩書が欲しかっただけなので、科目にはこだわっていませんでした。教育実習は不安でしたが、家庭教師や塾講師のアルバイトの経験があったので何とかなるだろうと思ってました。でもそんな甘いものではありませんでした。家庭教師は1対1だし塾も少人数制だったので1対2~3人でしたが、学校の授業は1対40。40人の視線が私に集中していると思うと、パニックになって全然上手く喋れないし、怖くて生徒の顔を見れない。私の授業はグダグダでした。指導教諭にも注意されたし、生徒にまで厳しいことを言われました。話し方が棒読みで分かりづらいとか、声が小さくて何いってるか分からないとか、他にも色々と。人の上に立ちたい。人から見下されたくない。・・・という理由で教師を目指したのに、教師になっても見下されてしまうのなら、もう目指す理由がなくなってしまいました。それと、こんなこともありました。生徒達の中には、私と似たタイプの子を見かけることもありました。たとえば、授業中に発表するのが嫌で下を向いて小さくなっているような子。指導教諭には、「生徒全員にまんべんなく指名しなさい」と言われていましたが、発表を嫌がってるような子を指名するのが可哀そうで、敢えて当てないようにしていました。そのことで指導教諭に何度か注意されてしまいましたが、自分と似たタイプの子を見ると、どうしても当時の自分の姿とだぶらせてしまって可哀そうだとか思ってしまう。こんな私は教師には向いていないんだろうな・・・と判断しました。卒業と同時に免許を取得することは出来ましたが、その資格が役に立つことはありませんでした。