自分で授業料を払わなければならない状況だったため、大学へ通う傍らバイト生活も欠かせませんでした。毎日働けば払えない額でもないので、とにかく毎日働けば何とかなる、と初めは思っていました。しかし毎日働くことがこんなにも苦痛だとは…それで翌年には奨学金を申し込みましたが、親の収入が一定以上で学業成績が一定以下の私は、あっさり審査に落とされました。そういうわけで、苦痛を感じながらも、毎日バイトせざるを得ませんでした。授業の無い日は、1日に複数の仕事を掛け持ちすることもありました。しかしアスペルガーな私は、仕事がうまくできませんでした。一生懸命やっているつもりなのですが、ミスばかりして同僚や上司や、そしてお客までもを怒らせてしまう私は、給料泥棒と罵られ、すぐに辞めさせられることもありました。そして次のバイトでも、また同じ失敗を繰り返すのです。私はなぜにこんなにも無能なんだろうかと、酷く悩みました。自分の無能に悩むのは今に始まったことではなく子どもの時からそうでしたが、それらは自分が困るだけで周りに迷惑をかけることはあまりなかったと思います。だけど仕事となれば、自分1人のせいで周りに大きな迷惑をかけることとなり、それがすごく辛かったのです。「数年後社会に出たときにこれではまずい」と思った私は、(今思えば無駄なことだったかもしれませんが)いろいろな検定試験を受けて資格をたくさん取得しました。こうして社会人になるための準備を始めておきました。つづく。