自閉症療育:食事の取り組み

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自閉症療育:食事の取り組み息子が正社員として就職してから半月が過ぎました。仕事量が多くて、ほとんど毎日残業です。通常勤務は、AM9:00~PM6:00、1時間休憩が有るので、8時間労働ですが、土曜日は、PM9:00まで残業でした。息子が小さい頃のことを考えると、信じられないほどの成長しました。4才頃の彼の表出言語は、単語が10個ほどで言葉でのコミュニケーションは、ほぼ不可能でした。指示は通らない。人の言葉は耳に入らない。好きなことしかしない。いつも不機嫌で、泣き喚いて、意味もなく走り回る。四六時中ずっと目が放せない状態でした。一定時間座っていること、ジッとしていることなどとても無理だった・・・その彼が、12時間も拘束されてしかも仕事をして帰ってくる日がくるなんて、当時は夢でしかなかったです。まず、第一関門は座ることでしたね。これができなければ、学ぶことなど到底できません。彼の場合、「食べる」という目的がハッキリしていますから、食事の時に座らせることが取り組みやすかったです。4才~6才くらいの時の座ることにの療育の取り組みのアウトラインを書いてみます。食事も療育の課題のひとつです。偏食指導も同時にしました。自分の分が分かりやすいようにトレイ等で区別してあげると良いです。トレイなどを利用すると、視覚で確認できるので、始めと終わりも分かりやすいですね。座って待つことも教えるために 、家族全員が食卓に着くまで、「手はひざ」で待たせます。食べ物が目の前に有るので、始めのうちは、すぐにも食べたくて騒ぎますが、騒ぎに負けないことですね。一度譲ると、振り出し以上に後退します。これは、他の療育課題でも同じですね。言葉が通じにくいので、「待つ」指示が通らない場合は、「手はひざ」と書いた文字カードや絵カードを利用します。言葉で指示するときも「待って」と言うよりも「手はひざ」と具体的な行動の方が分かりやすいですね。食事中は、席を立たないことが原則です。席を立ったら、彼の分の食事は片付けて、次の食事時間まで、食べ物は一切有りません。これを経験するうちに、席を立ったら以後食べられない事を学習します。欲しがっても好きなものを余分に与えないことも肝心です。自他の区別の学習になりますね。子供が欲しがると「じゃあ、お父さんのをあげよう。」ってしてないですか?内と外の区別がつきにくい子にとっては、これはほんとの意味での優しさではないですね。外食したときに、隣の席の人の物を欲しがって大騒ぎになることもあったで、外食にさえ行けなくなります。外の世界を狭めていくことになります。普通は、家庭はくつろぐ場なのですが、自閉症療育を考えるときは、家庭は外の社会の縮小版と考えて対応した方が良いですね。幼少期、指示も聞けない、じっとしていることなんてとてもとても無理だった彼が、12時間労働して帰るようになって、成長の過程を振り返っています。