先日、担任のC先生と個人面談があった。「のび太くんは本当に誰に対しても 同じように接することが出来る子です。 以前、いじめられていた子に対しても 優しく出来るし、 お友達の好き嫌いも全く感じませんよ」C先生の第一声だった。「○くんに対するいじめが発覚して話し合ったとき、 『この出来事についてどう思うか』と 意見を求めたんです。 その時に、のび太くんが一番に手を上げてくれたので きっと、○くんの辛い気持ちを語ってくれるんじゃないか、 と思ってのび太くんを当てたんです。 そうしたらのび太くんは 『いじめは絶対によくないけれど いじめた子達はちゃんと正直に自分のしたことを 話してくれて、ちゃんと謝ってくれて、 偉かったと思います。』 って、いじめた側の子の話しをしたんです。 去年、あんなに辛い思いをしたのに、 ちゃんと自分とは違う、相手側の気持ちを 思いやることが出来るというのは 素晴らしいことだと思うんです」涙ぐみながら話してくださるC先生。私まで涙してしまった。のび太を見ていると、正直言って、相手の気持ちを察したり、いたわったり・・・と言う部分について、理解できていないんだろうな、と思う部分が多々ある。それを非難するつもりも、だからといって「ダメだな」などと思ったりはしていない。ああ、やっぱり、アスペタイプだけにそういう部分の「感じるアンテナ」の周波数レベルが低いんだと、思っていた。だけど、ちゃんと、感じ取っていたのび太。そして、それをちゃんと言葉や行動にする力も持っていたのび太。のび太のそういう部分を感じ取れなかったのは私のほうだ。私の「感じるアンテナ」の方がおかしかったのだ。「のび太は去年、いざこざがあると、 いつも『ケンカ両成敗』と言われて いじめられているのび太にまで罰が与えられました。 のび太は『どうして相手の子は嘘を言うのか、 そして、どうして先生はその嘘を信じて ケンカ両成敗になるのか、 周りの子に聞いてくれれば本当のことは すぐにわかるのにどうしてすぐ『ケンカ両成敗』なのか、 と、いつも言っていました。 だから、正直に自分のしたことを言ってくれたことが ある意味、嬉しかったんだと思います。」「そうだったんですか。 本当にのび太くんは辛い思いをしたんですね。 確かに、そんな辛いことは経験させたくなかったですけど 今ののび太くんの姿を見ていると やっぱりそういう辛い経験も無駄ではなかったんだな、 と、思います。 だから、のび太くんは誰にでも分け隔てなく 同じように接することができるんですね。」人の気持ちが解らない、場の状況がつかめない、と言われている発達障害ののび太です。だけど、そんなことは決して、ない。本来なら知らなくてもいい心の痛みを経験してしまいましたが、その痛みも無駄ではない。C先生とふたり、ウルウルしながら笑顔で語り合った面談でした。つづく・・・・・