日々の診療の中でたくさんのお母さんたちやお子さんたちにお会いするのですが、相談はそれぞれみな違っていて一つとして同じものはありません。限られた診療時間の中でどれだけお母さんたちの訴えに耳を傾け必要なケアを組み立てることができるか、困っているお子さんたちの気持ちにどれだけ心を寄せることができるか、一瞬一瞬が真剣勝負の気持ちです。なかなか結論が出せないこともありますし、厳しい意見をあえて申し上げなくてはいけないこともあります。感情的になって判断を誤らないように、常に公平であるように心掛けていますが、それでも、悲しかったり悔しかったり…気持ちがこみあげてきてしまうことがあります。今日は、久々に診療の中で、お母さんのお話を聞くうちに思わず涙が出てしまいました。「お母さん、つらかったでしょう」…涙を流しながら相談されるお母さんに声をかけようとして、自分も思わず気持ちがいっぱいになってしまったのでした。尊敬する小児科医の細谷亮太先生が、ある本に「私たちのやっている仕事は入れ込むことこそが大切」とお書きになっていました。患者さんに向き合うプロの姿勢。私も常々そう思っています。ただし、これは非常にエネルギーを使う作業でもあり、燃え尽きてしまうリスクも大きい。仕事を続けるモチベーションを維持するためのストレスマネジメントも必要です。相談にいらっしゃるご家族も、そしてまた私自身もお互いに少しでも元気になれるような、笑顔になれるような相談の場であるように、明日もがんばろう!