人間を育てても、犬を育てても

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Nice!

我が家には愛犬ロック(ビーグル3歳オカマ)がいる。家族中で溺愛している我が家のアイドルだ。ロックを育てていると、のび太が小さい時の子育てとダブる。ロックは私たちが話しかける言葉をかなり理解しているようだ。話しかけると、真剣に私の目を覗き込んで、言わんとしている事を真剣に考えている(ようだ)。右に左に首をカクカクかしげながら、じ~~~っと聞いてくれるロック。あああ・・・のび太が3歳の頃なんていくら話しかけても私の目を見ることも、話す言葉を理解しようとすることも、いえ、自分に話しかけられていることすらもわからなかったであろう、のび太・・・汗ロックは1歳になった頃から、春になると皮膚の一部がハゲて、痒がった。痒くて赤くただれたりすることもあった。通っていた動物病院では「う~ん・・・なんだろうな? とりあえず、この薬・・・」と、原因も訳が分からないまま、痒くなるといろんな薬を試した。しかし、原因も分からないまま、どういう薬かさえも説明も無く、言われるまま与える・・・痺れを切らして、他の病院で診察してもらった。どうやらアトピーらしかった。アトピーは完治することはない。酷く痒がり出したらステロイドを与える。しかし、ステロイドは人間でも動物でも副作用がある薬なので長期間、多量に摂取させたくは無い。幸い、ロックはごくごく少量のステロイドでも効き目があるので、痒くなる時期にだけ、ステロイドを一日おきに与える。良くなって来たら、二日おき、三日おき・・・と、飼い主が調節して与える・・・まあ、ちょっと痒がっても、掻き壊したりしなければ、ヨシとして見守る。皮膚のハゲについても、検査方法はいくつもあるけれどこのハゲでロックにとって何も不都合は無い。犬は人間みたいに「コイツ、ハゲてるぞ~!」なんて他の犬と違うところをからかったりいじめたりしない。飼い主が「ハゲてても元気だったらいい!」と思えばな~んにも気にすることは無い。と言う事で、ロックはアトピーとうまく付き合っていく治療法にしている。これって・・・のび太の高機能自閉症との付き合い方とも共通しているように感じる。意思疎通が出来ない、酷いパニック・・・こういう原因がわからなかったから不安でいろんなところに相談に行ったのだ。原因さえわかれば対処法はあるのだ。視覚優位ののび太には箇条書きに、パニックには、次の指示を明確にして落ち着かせる、それで本人が辛くない程度にこちらが出来る限りの事を配慮すればいいのだ。しかし、犬と人間の違うところは人間は多数派とちょっとでも違う点にやたらと敏感で、少数派を排除したがる点だ。見た目や行動、言動が多数派と違うというだけでいじめられたりからかわれたりする。いくら、親が「他の人と違っててもそこが面白い子なんだよ~」と言った所で、他人はそれを許さない。多数派と同じじゃないものは、間違いだ、とおかしい、と、異常だ、と、排除されてしまうのだ。なんて、人間って愚か者なんでしょう。ロックを連れていて、犬同士はロックのハゲなんて全く関係なく楽しく遊べるのに、その犬を連れてる飼い主ときたら、「あら~可哀想に、ハゲちゃって・・・ストレスなんじゃない?!」まるで、飼い主の私が悪いみたいなことを平気で口にする。ああ、これって、のび太が小さい頃も、同じようなことをよく言われてたな・・・パニくるのび太を見て「どうして平気で泣かせてるの?!」だとか会話の出来ないのび太を見て「お母さんが愛情持って話しかけないからよ~」だとかあああ・・・人間を傷つけるのは、いつも人間。ロックは誰のことも、絶対に傷つけたりしないのにね。