今月からコンサータの処方が３０日まで可能になりました。発売から１年経過して新薬の規制が緩和されたためです。今までは１４日処方が限界でしたから、これからは通院のご負担が少し軽減していただけると思います。　コンサータ関連で、今日一番うれしかったこと。「先生これ見て！」と小学校１年生のあるお子さんが、１００点満点に花丸のついた漢字テストを持って来てくれたのです。コンサータを使うようになって数か月。教室で着席して授業に参加できるようになり、お勉強が楽しくなってきたのだそうです。「がんばったね～スゴイね！」と頭をなでたら、照れくさそうに前歯の抜けた可愛いらしい笑顔でニッコリ。よかったね！「授業中の居眠りがなくなりました」「学校でお椅子に座って勉強できるよ！」・・・コンサータを使い始めたお子さんたちからこのような報告が届くとホッとしますね。本人が投薬の効果を実感して、自分のＡＤＨＤと向き合って頑張っていこうという前向きな気持ちが持てるようになることが何より大切なことではないかと思います。私たち医師は、薬が効いてよかった…と薬を評価するのではなく、お子さんたちが自分自身を見つめることや行動をコントロールすること、「やればできる」「がんばれるようになった」と自信を持てるような変化を意識できるようになったことを評価すべきだと思います。コンサータは、お子さんを突然「よい子」に変身させる魔法の薬でもありませんし、内服してすべての問題が解決するわけでもありません。また、どんなお子さんにも100％有効とも言えません。診療では、薬のメリットとデメリットをよく理解していただき、有効な使い方を親御さんやお子さんたちと時間をかけながら相談していくことを心がけたいと思っています。