私は自分の成人式に出ませんでした。高校でイジメがあったので、一部の同級生に会いたくなかったのです。当時私は実家を離れて東京で一人暮らしをし、学生生活を送っていました。この日は連休中だったけど実家にも帰らずにアパートに籠っていました。でも私は一部の人にはイジメられたけど、仲良くしてくれた友達もいたので、仲良しの友達には久しぶりに会いたいと思う気持ちもありました。でもやはり「一部の人」に会うことは絶対に避けたかったので、悩んだ末に、けっきょく行きませんでした。しかしテレビで、どこかの成人式の中継を見て、たくさんの人達が綺麗な着物で着飾って楽しそうにしているのを見ると、一人でアパートに籠っていた私はすごく空しくなってきました。やっぱり行けば良かったかな・・・人生で一度しかない大きな行事なのに、一部の人に会いたくないという理由だけで行かなかったのは、間違った判断だったなあと、ものすごく後悔し始めました。その成人式の2日後だったかな、神戸で大地震がありました。実家は神戸ではなくもっと離れた所ですが、うちの地域もけっこう揺れたそうです。それをニュースで見たとき、私がまず初めに思ったことは、「もし成人式に出ていたら今頃はまだ実家にいるはずだ。やっぱり帰らなくて正解だったな」と。成人式に行かなかった自分の行動は間違ってなかったんだと、正当化することに必死でした。家族や友達を心配するよりも、まずは自分のことを考えてしまいました。心配する気持ちがでてきたのはそのあとです。やはりアスペルガーは自己中、他人のことより自分のこと、思いやりがない、冷たい人間・・・と思われるかも知れませんが、人を思いやることが出来ないわけではなく、思いやりの気持ちに辿り着くまでの脳の経路が、定型発達の人とは異なっているのだと思います。でも脳の経路なんて見えないですから、他人からは「冷たい人」だと思われるでしょうね・・・・