Nuts の思い出

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Nice!

公立学校も年度末を迎え、例年のようにベンのクラス担任の先生にちょっとしたギフトを渡す。今年も色々と問題は起こったけれど、数年前にから比べれば、なんと平穏な学校生活となったことか。小学校の低学年まではどうにも予想のつかない展開というのはよくあったのだが、極めつけはピーナッツアレルギーで、6歳くらいのときには救急車で病院に運ばれたこともあった。エマージェンシールームに駆けつけると顔をパンパン膨らませたベンが、オリのように囲われたベッドでにこにこして立ち上がっていたのだが、先生方は大慌てでやたら早口で状況説明をして、こちらも半分くらいしか理解できなかった。ピーナッツのアレルギーに関してはその後も何度か軽いものが起こったが、最初に起こったひどい反応以上のことはなく、本人や周囲も気をつけるようになったし、何よりも一般の風潮でピーナッツのアレルギーはよく取りだたされることが多いので、知名度の点での功績も大きいだろう。飛行機会社では、ピーナッツのスナックをやめたり、一般の食品表示もナッツ類を警告表示する。自閉症だし、アレルギーの是非を判断するのは大変だろうと危惧していたのだが、チョコバーを食べるときなども本人が内容物を確認するようになり、ナッツの文字を見つけると口にしなくなった。正確にはピーナッツ以外のナッツは問題が無いのだが、本人的に「危険」と解釈するのはナッツ類であり、一切口にしないのだった。だから後に何度か起こった軽い反応は、食事にピーナッツオイルが混ざっていたとか、ピーナッツを食べた友達の手の触れたお菓子を食べてしまったといったもので、レストランなどでもピーナッツの含まれるものはきちんと表示されているので安心だ。キャンプや学校でEpi-Penというオートインジェクターのついた注射を持たさなければいけないのが、面倒なだけで、ピーナッツ・アレルギーに関して問題になることはほとんどない。ベンがよく理解してくれたことも大きいが、問題があれば解決、改善すべく助けをさしのべてくれる環境にも感謝したい。一段と大きくなりハグしがいのあるベンと別れて今日は飛行機に乗る。