今回のシリーズ記事では「適応」について考えていますが、療育と「適応」の関係を考えるときにポイントになると思われるのが、「部分最適」と「全体最適」という考え方です。ある適応すべき課題について、一見最適に見える(でも実は「最」適ではない)ポイントが、本来の最適なポイントとは別に存在するとき、前者を「部分最適」、後者を「全体最適」と呼びます。この「部分最適」と「全体最適」を、山登りに例えてみると、小高い丘の頂上にたどりついたとしても、そこが本当に「山頂」であるとは限らず、さらに先に進んで、一旦下った先を進むともう一度登りになって、その先にようやく「本当の頂上」があったりすることは少なくありません。ここで、「小高い丘」が部分最適、「本当の頂上」が全体最適に相当します。