のび太と一緒に買い物に行くことも最近は少ない。ロックと留守番が出来るようになったし、もうすぐ4年生だし、こうして少しずつ、親から離れていくんだろう。ちょっと、さびしい。でも、うれしい成長。久しぶりに、のび太がスーパーについてきた。マイバックを忘れてきた私は、レジ袋ふたつ持って駐車場に向かった。そのとき、すっと、左手のレジ袋が軽くなった。「ボク、ひとつ持ってあげるよ」え?「ボク、ひとつ持ってあげるよ」「え?だ、だ、だ、大丈夫だよ!」(完全にビックリしてパニクるワタシ)「ボク、力持ちだし、重くても平気だよ! ひとつ持ってあげるってば!」「わ〜!ありがとう〜! うれしいなぁ〜のび太にそんなこと、 言ってもらえるなんて・・・」「だって、お母さん、重そうだったから。 『相手の気持ちを考えてみる』って大事なんだよね。 だから、お母さんの気持ちを考えてみたの」じゅわ〜んと、涙が出そうになった。のび太の前で、のびパパにそのことを話した。のびパパにも誉められて、照れるのび太。お父さんに誉められることが一番うれしいのび太。数日後、「お買い物に行って来るから、お留守番していてね」「あ・・・ボクも行こうかな?」「ん?どうして? 何か、欲しいものでもあるの?」「お母さん、荷物がいっぱいで大変だったら、 ボクが持ってあげようかな、って思って。」また、じゅわ〜んと涙が出そうになった。のび太は自閉症です。でも、のび太は大丈夫。ちゃんと成長している。こんな優しい子たちが、つらい思いをしなくてもいいように、大人は頑張らなくてはいけないね。新しい出会いは、ちょっぴり不安だけどこの子たちにとって素晴らしい出会いになりますように・・・と願わずにはいられない。