普通を手に入れた代償。

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Nice!

前回は息子の才能について触れましたが、今回は私の話です。

母曰く、私は、1才で文字を読み、2才でピアノを弾いて、3才で計算を覚え・・

そういえば私は幼少の頃、数にとても興味を持っていました。

ノートに自分で計算式を書いて、それを解いて遊んでいました。

オモチャで遊ぶよりも計算をしてる方が楽しいと思ってました。

「早く小学校で算数の勉強がしたい!」が口癖でした。

小学校に入って算数の教科書を貰った時、嬉しくてずっと眺めていました。

これは小2の時だったと思います。
算数の授業で、誰も解けなかった問題を私だけが解けたとき、先生が「すごいね、算数博士だね」と言いました。クラスメートからは、その日からしばらくの間、「算数博士」と呼ばれてました。

そんな小さな博士だった私は、大人になって、どうなっただろう?

私は障害の早期発見もされていないし、早期療育も受けていない。

だけど、いつの頃からか、考え方や感覚が周りと違うことを自覚し、
そんな自分を恥じるようになりました。

だから私は「普通」を目指しました。
何年も何年もかけて・・普通の感覚を身に着ける努力をしました。

先日、発達障害者の会の人達が私にこう言いました。
「しーさんって本当にアスペルガーなの?そんな風に見えないよ。全然普通だよ」・・と。

私はいつの間にか普通を手に入れることに成功したようです。
不完全ではあるし、本当はまだ理解はできていないけれど、
私は「普通」に近づいていた。

けれど何かを得れば何かを失う。

「普通」を手に入れた私はその代償として、幼い頃の卓越した能力を失っていました。

そしてその過程で経験した苦悩や恐怖や不安が、深刻な二次障害になってしまいました。

私は何の為に普通を手に入れたんだろう。
何が私をそうさせたんだろう。

続きます〜