時々、のび太を見ていると思う。
「障害」なのか、「性格」なのか、
考えるとわからないっ!
・・・ってことがしょっちゅうあります。
「障害」であることばかりを意識して生活しているわけではなく、
「のび太」というものが、
いわゆる「障害の特長」と言われているものも含めて
「のび太」である、ということを、
改めて思うからです。
たとえば、自分なりのスケジュールが崩れると
パニくるところとか、
興味のあることは「カメラアイ」で見ただけで
記憶しちゃうとことか、
いまだにやっている「つま先立ち」だって、
私にとって今では「自閉症の特長」というより、
「のび太の特長」なのだ。
社会生活を送る上で困難をきたすものが障害であるならば、
パニクらないように、ユル〜いスケジュールにするとかで、
なんとか工夫すれば、困難なところはないし。
「カメラアイ」は羨ましい特長だし、
つま先立ちで、どなたにもご迷惑かけちゃいませんし。
冬休み中に、特別支援対象児童のウインタースクールがあった。
夏休みのサマースクールの第二弾。(詳しくはこちら)
のび太はそれはそれは楽しみに通った。
夏休みの時から人数が倍に増えている。
そして、不登校から発達障害を診断されている子が多いらしい。
今まで、障害の特長も「ユニークな子」だと思って
家族の中では過ごしてきたんだけど・・・
という、お母さんと話をした。
そうなんだ・・・。うらやましい。
私みたいにはじめから「障害」を疑って育ててきたわけじゃないんだ。
その子の特異な部分も、このお母さんはすべて受け入れて、
認めて育ててきたんだ。
きっと、この子にとっては幸せな幼児期だったに違いない。
お母さんは、私みたいに療育にあくせくすることもない、
ちょっとしたパニックに動揺したりしない、
大らかで自然な子育てをされてきたんだと思う。
それなのに、入学したとたんに、
気持ちが乱れてだんだん学校に行けなくなったらしい。
独り言がうるさい、泣き虫、泣き声がうるさい、
文字の書き順を覚えられない、
音読が出来ない・・・
そんな罵倒の中で先生は助けてくれないばかりでなく、
字が書けないことも音読がスムーズに出来ないことも、
笑いのネタにしていたらしい。
大人だってきっと、つらい。
それが小学1年生にとって、どれほどの辛さか。
きっと先生がこの子を理解してくださって、
適切な指導をしていれば、
最低でも学校に行けなくなるような事態には
なっていないはずなのだ。
以前、読んだ本で
「発達障害であることはなんら問題はありません。
周囲の無理解による間違った対応などで
発達障害者本人が自己評価を下げ、
そこから起こる二次障害が問題なのです。」
・・・とありましたが、その通りだと思う。
発達障害で不登校になったり教室に入れないという子は
たくさんいる。
うつ状態になったり、自傷行為を繰り返したり・・・。
それらはみんな、発達障害の症状ではないのだ。
周りの無理解から来る二次障害だ。
学校に行けなくてツライのは、学校でも教師でもない。
辛いのは行きたくない気持ちにさせられている子供だ。
終了の時間になり、
満面の笑みで教室から出てきたのび太と、
そのお母さんのお子さん、Aくん。
「ねえ!あとちょっとだけAくんと遊んでいい?
紙風船サッカーしてるんだ!」
どうやらのび太と気が合ったらしい。
「あんなに笑ってるAを見たのは久しぶりだな・・・」
お母さんがつぶやいた一言が、
なんとも言えず、悲しかった。