鉛筆削り問題のその後。 練習しているうちに、ごくたまに、成功することが出てきた。 「あー、できたできた。えらいっ」 と、盛大に褒めると、本人は無言ながらも、ちょっと誇らしげな顔をする。 けれども、次もまた出来るとは限らない。左右の手の使い方が、不意に、わからなくなってしまうのだ。 すると、R太はとても傷ついてしまう。できたはずのことができなかったというのは、最初からできないよりも、ダメージが大きいのだと思う。 そんなことを繰り返すうちに、R太は、鉛筆削りに両手で触ることを、極端にいやがるよ ...