私のところに今、ピアノを習いに来ている、はるちゃん(仮名)。
お兄ちゃんがのび太と同級生で、今、同じクラス。
はるちゃんは年長さん。
1年生になるのが楽しみで仕方がない。
おしゃべりでキラリ○レボリューションや、シナモンなど、
男の子の親では知りえない「女の子ネタ」をたくさん提供してくれるのだ。
「はるちゃんのクラスでひとりだけ、
1年生になれない子がいるんだよ。
Rくん、頭が悪いから1年生になれないんだって。」
「え〜!Rくんだって1年生になれると思うけどなあ。」
「だって、C先生(幼稚園の担任)が、
『Rくん、そんなことしてると1年生になれません』って。
だって、Rくん、絵が描けないんだよ。
ぐじゃぐじゃって描くだけなんだよ。」
「ふ〜ん。でも、1年生にはなれるよ。」
「うん。お兄ちゃんが
『ニコニコ学級』(特学・仮名)に行けばいい、
って言ってた。
でも『ニコニコ学級』って頭が悪い人が入るんだよ」
「そうかな?頭のいい人もいるよ。
すごくお勉強の出来る子もいるんだってよ」
「え?!そうなの?
でもね、Rくんはホントにだめなの。
いつもC先生に叱られてばっかりいるから」
はるちゃんのママ(元、保育士)の話によると、
Rくんは多動傾向の子らしい。
みんなと同じことができなくて、じっとしていられず、
いつも先生はきつく叱っているらしい。
園で友達とけんかして窓をグーでパンチして、
血だらけになり、救急車騒ぎになったこともあるとか。
就学時検診で小グループに分かれてお話を聞く、という時に、
理由は分からないが大騒ぎして、
そのグループはお話を聞くどころじゃなかったらしい。
で、教育委員会で個別の相談を受ける羽目になったらしいが、
そのときにR君のママは、
「たぶん、発達障害っていう感じじゃないですか?
そういうことにしてください。
発達障害でも普通クラスでいいんですよね?」
と、言ったらしい。
元、保育士のはるちゃんママの話では、
発達障害なのか、育て方の問題なのか、ビミョーかも・・・
とのこと。
お父さんもお母さんも夜にお店を開いているらしく、
夜はおじいちゃんと過ごしていることになっているらしいが、
そのおじいちゃんもR君一人おいて、
夜、家を空けることが多いらしく、
近所の同級生のお父さんが帰る夜8時頃に、
家の前で自転車に乗っていたりするらしい。
はるちゃんママの話では、R君ママいわく、
「発達障害ってことにすれば、大事にしてくれるらしいし、
なんかわかんないけど、そう言うことにしたんだ。
発達障害って落ち着きない子のことでしょ?
私だってあんな子、どうしたらいいかわかんないよ。
きっと、Rもそうだよ!だから、いいの。」
とのこと。
そんなに発達障害になりたいか?!
はるちゃんは、
「Rくん、頭悪いけどホントは優しいんだよ。
はるちゃん、転んだときに、起こしてくれたもん」
いいところを見てくれている他人もいるんだけどね。
Rくん、本当の姿を見て欲しいのは、
お父さんとお母さんだと思うんだけど・・・。