CS講演の続き。思い出しているうち腹が立ってきた。久々のフラッシュバック。
まず内田先生のお言葉を引用しておく。
これからはお客様である志願者や保護者のニーズを第一に配慮して・・・
でもさ、そういうことを言っている当のコンサル諸君は、キミたちの「お客様」であるところの大学人を「第一に配慮」なんかしてないじゃないか。
「食い物」にしているだけでしょ。
自分がやる気もないことを他人に要求するというのはよくない。
先の講演でコンサルさんがおっしゃるには、東京ディズニーランドで男女の客(恋人かどうかは定かではない)が施設内にカメラを忘れたんだそうな。閉園直後にそれを申し出られて、ディズニーランドスタッフがそのカメラを忘れた場所まで二人をエスコートしたんだと。その道中、別のカメラを二人に渡して『いまディズニーランド全体があなた方二人のためだけにあるのです』とか言ってあちこちで記念写真を撮りながら忘れ物の現場まで行ったんだそうな。
これを見習えとのことだ。病院も。
私たちはすでに、「閉園」などあってないも同然の時間外救急を夜通し行っている。「いま当院はあなた方二人のためにあるんです」どころか、救急外来には時間外の患者さんがひっきりなしだし、新生児搬送の依頼があれば24時間いつでも出かける態勢でいるし。いったい東京ディズニーランドではスタッフが日勤のあと当直で時間外の顧客の相手をしたあと翌日の日勤に出ているとでも言うのか。ネズミの中の人がじつは寝不足で過労死寸前だとでも言うのか。
コンサルさんは顧客としての病院の現状をちょこっとでも調べてからやってきたんだろうか。調べてないとしたら語るに落ちる。病院の現状をわかった上であんなご垂訓ぶりだったとしたら、悪意をもった挑発をうけたとしか思えない。かすたまあ・さてぃすふぁくしょんなんていったいどの口で言えたんだと思う。
医療も崩壊しかかって医療事故という疫病神にとりつかれやすいってのは確かにそうなのだが、ほかにも、弱目を見せると群がってくる手合いというのがあるようだ。ものは何であれ、腐りかけると、腐ったものが好きな獣や虫や菌類が寄ってくるんだよな。分解者というのは生態学的にはたいそう重要なものだと大学で習ったが、しかし日の当たるところに出ても見栄えのよいものじゃないんだよね。ハイエナにしてもシデムシにしても。
ディズニーランドのお話はたしかに感動的だとは思う。本当にあった話ならなおのこと感動的だと思う。閉園後の施設内ってどういう施設でも迷いやすいものではあるし、それとなく監視も必要だろうし、いらぬところに触るなといちいち注意するよりは要所要所で記念写真と称して行動をコントロールしたほうが上品だろうし。さすがは東京ディズニーランドだと思いますよ。ディズニーランドに他意はありません。