痛くない?
そうすると看護士さんに、
大丈夫。絶対に痛くない。約束する。信じて。
といわれて、素直に信じる渡は笑顔に。
ペタペタと渡にコードが貼られていき、まるで、ムカデのようになってきた。それでも容赦なくどんどん機械に繋がったコードを貼っていく看護士さん。約束どおり痛くない渡は余裕。
コードだらけになった渡が、突然しゃべった!
Hello.... Hello..... Anybody here? (誰か聞こえる?←この聞き方が、暗い中、おばけか何かがいるかもしれない時の、すみません、誰かいますぅ?…みたいな感じ。)
どうも大量のコードを電話回線か糸電話のように見立てて、聞こえるか?聞こえるか?と冗談をいっている。もう看護士さん、ぷーーっと吹き出して、大笑い。もう笑って頂ければ、渡のナンパは完了。まんべんの笑みで、
Yes!
やったね!というところでしょう。母がこんなに心配してるのをまったく無視して、ご本人は超ご機嫌。
けどすごいなぁ。たぶん、渡の口頭での語彙力って4歳程度。それでも心臓の専門医でコードにつながれまくって、普通だったら真っ青になるところを、一番苦手な口頭言語でナンパって…。ガッツありすぎ。
看護士さんももうご機嫌で、
渡、すごいわ!こんなに協力的な患者さん、はじめてよ。渡は私たちのヒーローだわ。
とまた、モテる女性のうまい返し。もう最高にいい雰囲気の中、計測を終えて、先生が登場。
なんだか病院というより、歓談という感じの時間で診察終了。
また、来るね!
と言いながら帰ってきました。とりあえず、今のところたいして問題もなく、なにも生活も変わらないけど、経過観察になりました。渡はすっかり社交場と思っている専門医の先生のところで、「今度いつ行く?」って聞いてきました。
渡、遊園地じゃないんだよ。心臓の先生の所は!