[シリコンバレーでの私たちの暮らし]渡の心臓検査の日

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Nice!
渡の心臓の専門医の初日です。渡の医療のほうのデータに少し気になることが出て来たので、心臓専門医のほうに行って下さいということで、行ってきました。急に決まった心臓医の訪問ですので、大丈夫かな?と思ったのですが、とにかく、アメリカの専門医というのは
「なんでこんなに優しいの?」というくらい優しい先生が多い。
渡を見て「自閉症だし待てない」という判断からか、ほぼ待ち時間なしで、診ていただきました。看護士の方は、若くてとても綺麗な人でした。
こんなチャンスを渡が逃す訳はない。
渡の身長や体重を計ったら問診です。「僕はね。大学生だから。」と軽く自己紹介。なんだかなぁ...。自分の大学がとても好きな渡。大学のTシャツまで購入してるし。看護士さんもニコニコと聞いてくれていますが、渡がいつ機嫌が悪くなるやもしれないので、すごく手早くいろいろ調べて下さっています。
問診が終わったら、診察台に寝るように言われました。心電図を取るわけで。渡、大量のコードにビビる...。看護士さんを見た時から、気合入っていて、ナンパのチャンスを狙っていた渡。しかし、大量のコードを見ると、恐れをなした模様で、顔がこわばっている…。
恐々、

痛くない?

そうすると看護士さんに、

大丈夫。絶対に痛くない。約束する。信じて。

といわれて、素直に信じる渡は笑顔に。
ペタペタと渡にコードが貼られていき、まるで、ムカデのようになってきた。それでも容赦なくどんどん機械に繋がったコードを貼っていく看護士さん。約束どおり痛くない渡は余裕。
コードだらけになった渡が、突然しゃべった!

Hello.... Hello..... Anybody here? (誰か聞こえる?←この聞き方が、暗い中、おばけか何かがいるかもしれない時の、すみません、誰かいますぅ?…みたいな感じ。)

どうも大量のコードを電話回線か糸電話のように見立てて、聞こえるか?聞こえるか?と冗談をいっている。もう看護士さん、ぷーーっと吹き出して、大笑い。もう笑って頂ければ、渡のナンパは完了。まんべんの笑みで、

Yes!

やったね!というところでしょう。母がこんなに心配してるのをまったく無視して、ご本人は超ご機嫌。
けどすごいなぁ。たぶん、渡の口頭での語彙力って4歳程度。それでも心臓の専門医でコードにつながれまくって、普通だったら真っ青になるところを、一番苦手な口頭言語でナンパって…。ガッツありすぎ。
看護士さんももうご機嫌で、

渡、すごいわ!こんなに協力的な患者さん、はじめてよ。渡は私たちのヒーローだわ。

とまた、モテる女性のうまい返し。もう最高にいい雰囲気の中、計測を終えて、先生が登場。
なんだか病院というより、歓談という感じの時間で診察終了。

また、来るね!

と言いながら帰ってきました。とりあえず、今のところたいして問題もなく、なにも生活も変わらないけど、経過観察になりました。渡はすっかり社交場と思っている専門医の先生のところで、「今度いつ行く?」って聞いてきました。
渡、遊園地じゃないんだよ。心臓の先生の所は!