紙と鉛筆を使って間取りを考えていくやり方で、「ステップ1」としては部屋をただのマルで描いて線でつないでいき、「ステップ2」では、部屋を実際の広さに近づけてステップ1の配置図を描き直していきます。広さまで実際に合わせるなら、もう紙なんか使わないで間取りソフトでいいんじゃないか、と思われるかもしれませんが、実はまだこの「ステップ2」の段階は、「間取りを設計する」段階の1つ手前です。ステップ2の「本当の」目的とは、・フロアごとの必要広さを知ること・フロアのレイアウト感のアンバランスさを確認することこの2つを同時に行うことにあります。間取りを設計していて陥りやすいミスの1つに、「そもそもフロアごとの部屋配置のバランスが悪いのに、それに気づかずに悪戦苦闘してしまう」というパターンがあります。私の例でいくと、1階にLDKとそれに隣接する来客用の小さな和室、水回りとして浴室・洗面室・トイレを配置し、2階に主寝室・副寝室・子ども部屋・トイレを配置した間取りを一生懸命考えていました。ごく一般的な4LDKの間取りと言えますが、実はこの間取りプランはちょっと破綻しているところがあって一筋縄では作れません。理由は、・1階に必要な広さが2階よりもずっと大きいというアンバランスがあるからです。後のエントリで具体的に説明する予定ですが、この間取りを普通に引くと2階の面積がかなり余ります。余るだけなら、2階の部屋を広めにとったりすればいいのですが、別の視点からすると、それはつまり「1階に広めの面積が必要になる」=「必要な土地の広さが大きくなる」ということになり、「予算オーバー」につながっていってしまうわけです。こんなシンプルな問題(そもそも1階と2階の部屋の割り振りのバランスが悪くて間取りが入りにくいこと)に、当初はかなり長い間気づきませんでした。気づかずに、「どうしてもうまく間取りが入らないなあ、なぜだろう?」と悩んでいたわけです。このアンバランスの問題に早い段階で気づくことが、「ステップ2」の目的の1つになります。ですから、部屋をマス目に合わせて描いたら、その部屋に使っているマス目の数を1階と2階(3階建てや地下室ありの場合はそれらのフロアも)でそれぞれカウントして比較してみるわけです。もしこの段階で、その差が2〜3マス以下しかない場合は、非常に優秀な部屋配置ですから、そのまま進めていっても大丈夫でしょう。もしそれよりも差が大きい場合、そのまま間取り作成に突入すると行き詰まってしまう可能性が高いですので、プランに修正を加えて、各フロアのマス目数の「差」を2〜3マス以下にしてから次の段階に進むのがいいと思います。具体的な修正方法については、次のエントリで触れたいと思います。