自閉症の子どもと暮らす家づくり(26)

7
Nice!

土地探しのなかで、ビルダーが無料で作る参考プランでは「参考」にならない、と悟った私は、間取りソフト「マイホームデザイナー」と間取りに関する書籍を買い込み、自分自身での間取り作成にとりかかりました。3Dマイホームデザイナー12メガソフト毎日、会社から帰ってからソフトを起動して深夜まで間取りプランをいくつも描くことを続けました。最終プランにたどりつくまでに描いたプランは、まったく異なるものだけをカウントしても数十は下らないと思いますし、さらにそれぞれのプランについても、「このプランは使えるかも」と思ってじっくりと掘り下げたプランについては数十回の修正を毎日のように行いました。結果的に、修正プランもすべて含めて数えれば、数百とおりのプランを作成したのは間違いありません。そして、やはりこういうのも「慣れ」という要素が大きいのだと実感したことは、最終的に採用したプランは、最初のころの自作プランとは比較にならないくらい出来が良くなっていて、当初は両立しないと思われていた希望要素の多くを盛り込むことができていたということです。ところで、間取りを作っていく基本的な進め方についてですが、私自身は当初はいい方法が見つからなくて試行錯誤を繰り返すことになったのですが、最終的に、「こうやって進めるのがいちばんうまくいきそうだ」というやり方が見えてきたので、そのやり方について書いておこうと思います。(ここからしばらく(3回程度)、家造りの話題から脱線することをご了承ください。)用意するのは、B4以上の大きめの方眼紙(薄く方眼模様が入っているもの)を何枚かと、鉛筆もしくはシャープペンシル、そして消しゴムです。まず、「ステップ1」として、「部屋のつながり」をラフに考えます。具体的には、「LDK」や「浴室」「洗面室」「玄関」「階段」などを、それぞれマルで表現し、どの部屋とどの部屋がつながっているべきなのかを、マルとマルとをつなぐ線で表現するのです。これを、各フロアごとに絵にしていきます。これによって、たとえば「階段はリビングとはつながっているけれども玄関とは直接つながっていない(リビング階段)」とか、「LDKと水回りをぜんぶ2階にまとめて、1階に居室とトイレをおく(2階リビングプラン)」といった、「間取りの基本形」が定まってきます。これができたら、こんどは「ステップ2」です。紙を替えて、こんどは同じ間取りを「部屋の面積を意識して」描いてみるのです。方眼紙のマス目の1つ(1cm四方)を半畳(メーターモジュールの場合は100cm四方)として扱うと描きやすいと思います。マス目をこの大きさに設定した場合、基本的に浴室は2×2の4マス(1坪)、洗面室も最低サイズとして同じく2×2、トイレは1×2マスで1畳、部屋については6畳なら3×4の12マス、8畳なら4×4の16マス、4畳半なら3×3の9マス、玄関は上がり框とあわせて最低2×2の4マスくらいの大きさになります。LDKについては、希望する畳数×2マスになります。広さまで揃えてマス目に描くなら、もうこの段階から間取りソフトを使ったほうがいいんじゃないか?と思われるかもしれませんが、実はこの「ステップ2」の目的は、間取りを追い込んでいくことではありません。まだ、それより前の段階になります。