ユング心理学講座 ーC.G.ユングの人生と分析心理学ー

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Nice!
終了しました。有り難うございます。

【講師】小松 誠之助 先生(小松こころの相談室・新大阪、臨床心理士)

【日時】2012年2月12日(日)12:50 会場 13:15〜16:15 
【会場】兵庫県民会館 会議室 *神戸市中央区下山手通4丁目16-3
*JR/阪神「元町」より徒歩7分・地下鉄「県庁前」東1,2出入り口、バス停「県民会館前」下車すぐ
【定員】30名程度 
【〆切】2/6(月) ※定員になり次第〆切とさせていただきます。
【主催】ハーシンク   
〜テーマ〜?生い立ちと歴史、幼少期、学童期、学生期、成人期、晩年、                   
?「分析心理学」の基礎概念(ex.意識と無意識。心的エネルギー論。自己。コンプレックス(元型)。シンボル。超越機能。etc)
【対象】 心理、教育、福祉、医療などの領域、その他C.G.Jung分析心理学に関心・興味のある方。
【お申し込み】こちらよりメールフォーム、もしくはFaxでお申込み下さい。
【参加費)】¥5,000 (資料代・税込)※お申込み後、お振り込みのほどお願い申し上げます。
 スイスの精神科医C.G.ユング(C.G.Jung, 1875〜1961)をめぐって、彼の生きた時代とその生い立ち、臨床家としての理論と実践、思想、宗教、そして現代に問いかけているものは何か等々を皆さんとご一緒に考えてみようと思います。
 私たちの社会はグローバル化の中できわめて複雑となり、価値観の多様化とそれに伴う摩擦や対立の避けられない状況になっています。科学技術の発展による恩恵の裏で、自立や個性化を求められる時代に入っており、それに伴って個人も国家も傷つきやすくなり、物質的・精神的にも困難な今日的諸問題に直面しています。世界の状況それ自体が、まさにユングが“こころ”をそうイメージしたように、“沸騰する鍋”の様相を呈しています。こうした摩擦や対立にどう向き合い、乗り越えていけば良いのか、といった本質的な問題が、私たち現代人には問われ、避けて通る事のできない大きなものとなっているのではないでしょうか。
 
C.G.ユングは、こうした問題の源に、近代的自我を獲得するプロセスの中で発生した「意識(自我)」と「無意識(Self)」の絶え間ない対立と緊張を想定し、人間には避けられない「解離」の事実を見つめ、苦闘する人生の中で分析心理学を編み出していきました。言い換えると、彼の分析心理学は、「解離」した“こころ(psyche)”の間にいかに橋を架け、いかに和解するかといった個性化過程の心理学であり、それは二つの世界大戦という激動の時代に繰り広げられた壮大な試みであったと言えるでしょう。
 
C.G.ユングの取り上げた、「自己とは」「こころが病むとは」「私と世界とはどのように繋がっているのか」「私はどこから来て、どこに行こうとしているのか」「私の神話は何なのか」そして「どう生きるべきか」などのテーマは、現代においても深く考えさせられものであり、示唆的です。それは、現代の見通しのつかない気分や閉塞感・停滞感の広がりの中で、共感し呼応した響きを持っており、時代の不安や魂の不安に対して、まさに人生を方向づける灯台のような役割を持っているかもしれません。そしてこれらは、私たちの心の成熟や発達、癒しといった心理療法の主要な問題とも深く関わっています。分析心理学の核となる基礎概念、つまり「超越機能(bridge機能)」「個性化過程−自己実現」「コンプレックス−元型」「シンボル」等々は、その具体的なテーマと言えるでしょう。
 
今回の講座では、ユングの生涯をたどりなおしながら、これらの基礎概念の一端をご紹介し、皆さんと一緒に対話し、学びあう機会となるよう願っています。ぜひご参加くださいますよう、お待ちしております。
【参考文献】※以下の文献は必須ではございません。ご自身で学習される際の参考にしていただければと思います。
 ユング そのイメージとことば アニエラ・ヤッフェ編 氏原寛訳1995.8.10 誠信書房
 ユング伝記のフィクションと真相 ソヌ・シャダムダサーニ著 河合俊雄監訳者   2011.7.1  創元
 Jung Lexicon: A Primer of
Terms and Concepts,Inner City Books (1990/12)
  A critical dictionary of Jungian analysis: Andrew Samuels,Bani Shorter and Fred Plaut, Routledge ユング心理学と現代の危機:湯浅泰雄他 河出書房新社 2001.9.20
ユングとチベット密教−こころと魂の癒し−:ラドミラ・モアカニン著(定方昭夫+越智秀一訳),星雲社2001.7.16