ここしばらく、比較的調子よく過ごしていた(あくまで脳みそに関してだが)。音声過敏なんてのが自分にあったことすら忘れてしまうくらいの感じであった。だがここ1週間ほど、ちょっと雲行きがあやしくなっている。音声過敏発動である。先週だった。帰宅したタヌキが入手したばっかりのクラシックのCDを嬉々としてかけ始めたのだがそれがどうにも頭に響くのだ。料理をつくっていて次の手順を忘れてしまう。「あれ?何やろうとしたんだっけ?」てな感じ。「ちきしょー、頭に響くなあ、この曲なんて曲だっけ?」それすら思い出せない。これはまずい…と集中しようとするのだがティンパニの音がドンドン響く度にドンドン忘れるという感じである。挙げ句の果ては、「何か手伝おうか?」という娘に八つ当たりしそうになる。根性で夕食はつくったモノの、へろへろになり、皆が食べている間、テレビのついている茶の間に入る気がせず中庭に待避して休憩していた。で、タイトルで察しがついた方もいるだろう。今回の音声過敏の引き金となったのはストラヴィンスキーの「春の祭典」である。これは疲れている時に聴いてはいけない曲だ。脳みそが春の祭典になってしまう。